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長岡アジア映画祭実行委員会!ブログ

新潟県長岡市で活動します長岡アジア映画祭実行委員会!です。

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『樹木希林さん&伏原健之監督特集』への伏原監督メッセージ



一昨日、シネ・ウインドでの『人生フルーツ』上映とともに舞台挨拶にいらした伏原健之監督に快諾をもらい、
先月の『樹木希林さん&伏原健之監督特集』に寄せていただき、上映前に読み上げたメッセージをここに掲載します。
http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/blog-entry-2131.html
『神宮希林』はこのメッセージにあるように2014年の劇場公開版を編集しなおしたものを長岡で上映、
5月18日からのシネ・ウインドでも上映するそうです。
伏原監督お忙しい中、送っていただきありがとうございました。

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「もう、これは上映しないでほしい……」
2018年4月15日、ロサンゼルスで『神宮希林』の上映会を終えた夜、希林さんにそう告げられました。
「映画は残るもの」と、希林さんはテレビと映画は別のものと考えていました。元々テレビ版のドキュメンタリーとして制作した『神宮希林』も、何度もダメ出しされ、何度も編集し直して、ようやく映画という形になりました。だから希林さんも「これがあるから自叙伝はいらない」とまで言っていたはずなのに……

眠れない夜が明けて、翌朝、空港のロビーで希林さんから「余命は半年」と告げられました。

希林さんと最後に会ったのは、ロスから一ヶ月後の名古屋の鰻屋でした。ひつまぶしを食べながら、再び『神宮希林』への思いを聞きました。希林さんの言葉のすべてを理解できたかどうか分かりません。ただ、最後の言葉は「あとはお任せするね……」でした。

2018年9月15日、希林さんは逝去されました。

私は、希林さんとの約束通り、『神宮希林』に手を加え、大きく改編しました。その結果、作品はずいぶんと深まったと思います。
希林さん、ありがとうございます。

希林さんからこんなことも言われました。「神宮希林があったから、人生フルーツはできたのね」と。二つの作品には、希林さんに教えてもらったことが、たくさん詰まっています。
このたび、希林さんと作った三作品を、長岡で上映していただけるのは本当に嬉しいです。

希林さんも「しょうがないわねぇ…」と言いながら、上映会を面白がってくれているような気がします。

伏原健之
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豊田直巳写真展『フクシマの8年間 尊厳の記憶と記録』

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昨年3月11日に『奪われた村』の上映と共にスライドトークを行っていただき好評だった
豊田直巳監督より写真展のご案内が4月17日にメールにて届きました。
遅れて申し訳ありませんが転載いたします。

https://www.facebook.com/185824011962539/photos/a.197397577471849/432833087261629/?type=3&theater
画像は↑こちら“豊田直巳写真展『フクシマの7年間〜尊厳の記録と記憶』全国巡回プロジェクト”よりお借りしました。

会場・東村山市立/中央公民館
〒189-0014 東村山市本町2丁目33-2

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いつもお世話になっている皆様へ

フォトジャーナリストの豊田直巳です。
新緑が美しい東村山市です。

でも、実はちょっと心配です。来週(4月23日)からの写真展と、その関連のトークやミニ・コンサート。いずれも無料でが、その案内、お知らせが広がっているのか、否か?と。東京オリンピックと選挙の大声の中でかき消されていはいないかしら、と。

写真展もトークなども選挙の後です。オリンピックの一年以上前です(笑)。是非、足を運んで下さい。是非、この情報を拡散してください。

以上、お願いでした。(写真は昨日の福島の桜と吾妻山)

*豊田直巳写真展とトーク、チェロ演奏など

https://www.facebook.com/events/2445071262170628/

**豊田の新刊『フォト・ルポルタージュ 福島「復興」に奪われる村』

https://www.iwanami.co.jp/book/b440433.html

***写真展の応援プロジェクト

https://motion-gallery.net/projects/fukushima7yearsphoto?fbclid=IwAR1etDU-S2YNs7N98cVSTp8qVABM5IgMjRaT25s9ibUmmgNkpT14v-Yhfrc

***写真展と関連行事**************

豊田直巳写真展『フクシマの8年間 尊厳の記憶と記録』

入場無料

以下、写真展会場にての無料イベント

①4月23日 15時〜16時 オープニングトーク
宇井眞紀子×豊田直巳

②4月24日 18時30分〜19時 チェロ演奏 in ギャラリー
任炅娥 (イム・キョンア)   豊田直巳在廊

③4月27日 15時〜17時 スペシャルトーク
豊田直巳 フクシマ・チェルノブイリ

以下、詳細

①東村山市在住のフォトジャーナリスト豊田直巳と、同じく東村山市在住でアイヌ民族の写真を撮り続けるフォトジャーナリストの宇井眞紀子さんによるオープニントークと・・・・。トーク終了後も写真展はご覧いただけますし、豊田直巳も在廊します。

②豊田直巳監督の映画『遺言〜原発さえなければ』のテーマ曲、バッハの無伴奏チェロ曲を演奏した任炅娥 (イム・キョンア)さんが写真展会場で生演奏して下さいます。

是非、この機会に生演奏で『遺言』の世界と『フクシマ8年』の世界を目でだけでなく耳でも感じてみませんか。

任炅娥 (イム・キョンア)

宮城県仙台市出身。東京音楽大学器楽科を経て、同大学院科目履修修了。2009・2013年<ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン>の無料コンサートに出演。2014年に公開された福島・飯館村のドキュメンタリー映画「遺言~原発さえなければ~」の音楽演奏を担当。2017年、クラシックオーディション合格、新進音楽家コンサートに出演。オーケストラ・トリプティーク団員。NPO法人いろはリズム副理事。板橋区演奏家協会会員。

③東村山市在住のフォトジャーナリスト豊田は、8年前の東日本大震災と原発事故の直前に、原発事故から25年目を迎えるチェルノブリを取材していました。その前にはイラクで劣化ウラン弾の取材を重ねていました。イラクとチェルノブリとフクシマと。そこに通底するお話が出来れば考えています。

トークの前後も写真展はご覧いただけますし、豊田直巳も在廊します。

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豊田・新作ドキュメント『奪われた村』http://ubawaretamura.strikingly.com
共同監督映画『遺言〜原発さえなければ』 http://yuigon-fukushima.com/
豊田直巳公式HP『境界線の記憶』http://www.ne.jp/asahi/n/toyoda/
豊田直巳戦火の子どもたち写真展を広げる会
http://senka-kodomotachi.cocolog-nifty.com/blog/1/index.html

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伏原健之監督に『人生フルーツ』『居酒屋ばぁば』『神宮希林』長岡上映会盛況のご報告に行く。



「昨日、アオーレに行ってたんですよ」

シネ・ウインド『人生フルーツ』再アンコール上映が本日初日。
それにあわせて来館した伏原健之監督舞台挨拶のあとのサイン会にて
3月の『人生フルーツ』『居酒屋ばぁば』『神宮希林』長岡上映会が
http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/blog-entry-2131.html
盛況に終わったことを直接報告でき監督は喜んでおりました。

今回、東海テレビの局員が本職である伏原監督は縁あってNSTと共同で番組制作をするために新潟県入り。
その中で以前、上映会に起こしいただいた会場のアオーレ長岡にも訪れホームであるバスケットボールのアルビレックスを取材したそうです。
どんな番組なのかはわかりませんが見てみたいものです。

しかし伏原監督は2017年夏の長岡での舞台挨拶でも映画の中で
http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/blog-entry-1605.html
あれほど丹念に作られた英子さんの料理をカメラに収めながらも食には無頓着でほとんどコンビニで済ますなどと話し、
せっかくなんでたぶん名古屋にはないセブンイレブンの大きなおむすびを差し入れたら喜んでたほどでしたが、
今回はさらに輪をかけ『人生フルーツ』ならぬ『人生コンビニ』などと自虐的に話して笑わせ、はたまた『人生フルーツ』のナレーション採りで樹木希林さんから予告編で「誰もがこんな生き方できるわけないわよ」などとアドリブかまされた後に独身だと知ってて「ねぇ、伏原さん」とこちらを見て笑ってたエピソードを紹介してまた笑いがおきました。

その樹木希林さんと昨年『人生フルーツ』『神宮希林』がロサンゼルスで上映された際、共に現地に飛んで舞台挨拶を終えた夜に洒落たバーで希林さんが、「『神宮希林』をもう出さないでほしい」と話されたことに触れました。
希林さんの思いを受け取って伏原監督がどのようにしたのか、このエピソードは長岡上映会に送られたメッセージに書いてあり、今回監督よりブログ掲載の了解をいただいたので明日にでも早速掲載したいと思います。

最初はポレポレ東中野での上映を観た本作ですが、その後に長岡での上映は試写で観たり、本上映は心境的にゆっくりできないので、久しぶりにじっくりと観ましたがさくらんぼの実りや自家製ベーコンのシーンでは周囲の客席からダイレクトに歓声が沸き、終盤のあるシーンから修一さんの最後の仕事にどんな思いをかけてたか明かされていくとすすり泣きが聞こえてくるなど、最初よりもいっそう味わい深く観ることができました。

ついでに市民交流ホールAでの上映はもっと誇ってもいいように思ったりしました。

そして改めて津端修一さんは建築家のみならず巨大な知識人として本当に大きな存在だったと。
修一さんの意が通らなかった高度経済成長期が、修一さんの思い描く世界となってたら今はもっと生きやすい世界ではなかったかと。
津端夫妻の歩みと本国の歩みをともに振り返りながら幸福について問うた後世に残る映画だとやはり実感,
とはいえデザートを食べるのに木のスプーンではなければダメだと強情を張る修一さんの姿と妙な間にはやはり笑ってしまいました。

『人生フルーツ』は5月10日まで、
『神宮希林』は5月18日からとシネ・ウインドで伏原監督作と樹木希林さんの作品上映が続きます。

シネ・ウインド公式HP https://www.cinewind.com/

伏原監督のますますのご活躍を期待してます。

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韓国映画『共犯者たち』長岡上映会 6/28  アオーレ長岡市民交流ホールA

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次回上映会は6月28日(金)アオーレ長岡市民交流ホールAにて
韓国のドキュメンタリー映画『共犯者たち』を上映します。

予告編 https://www.youtube.com/watch?v=6AiL-Lgbq7U

“記者が黙った 国が壊れた”

↑映画のキャッチコピーを目にし、わかる方にはすぐ伝わると思います。
韓国公営・公共放送が政権の介入に屈し、政府発表を報じるだけの放送局と化したため、
職を奪われた記者達が、報道の自由と民主化のために命がけで権力と闘い、
それを後押しした国民たちの9年を記録。

監督のチェ・スンホは実際に韓国公営放送MBCのプロデューサーとして活躍。
しかし不当解雇された後も独立メディアを同じ仲間とともに立ち上げ、権力と骨抜きにされたメディアにカメラを向け、『スパイネーション×自白』『共犯者たち』を発表後、現在は政権の言論弾圧が一掃され自分をクビにした古巣のMBCになんと社長として迎えられ、経営の立て直しをしてるという不屈のジャーナリスト。

韓国社会で起きた記憶に新しいセルヴォ号の大事故、キャンドルデモの陰で日本では報じられなかった報道の自由を巡る熾烈な政権対ジャーナリストの闘いの成果は
“記者が黙った 国が壊れた”が過去形となったようですが、それが現在進行形で続いている国の観賞者に激しく問いかけることを期待して上映します。

ただし阪本順治監督が以下のコメントを寄せてるようにエンターテイメントとして申し分ない作品とも言えます。

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阪本順治(映画監督)
社会派ドキュメンタリーは敷居が高いと思っている方がいれば、言いたい。これは至極のエンターテインメントである。泣けるし、笑えるし、最後には、自分たちの国に置き換えざるをえなくなる。
『タクシー運転手 約束は海を越えて』『1987、ある闘いの真実』を観た方々は、この二本、『スパイネーション/自白』『共犯者たち』を観ないと完結しない。自分の生活に没している人ほど、感動します。

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『タクシー運転手 約束は海を越えて』『1987年、ある真実の闘い』と韓国国民が非情な権力の弾圧にめげず手にした民主化について否応なしに考えさせられる力作が相次いで公開され対岸の火事でないと思いながらも、
こちらのタイミングが合わず、何より力不足もあって長岡で上映できずにいて悔いが残ってるため、今この機に上映を決めました。

新潟県内初上映となるハズです。

「沢山の人が青春や人生を犠牲にしたが、それはしょうがない。
だが黙らなかったという事実は残る」

映画に登場する報道の自由のために闘い弾圧された記者の言葉です。

『共犯者たち』

主犯は大統領
共犯者は権力におもねった公共放送の首脳陣

2008年、〈米国産牛肉BSE問題〉などの報道により国民の支持を失いかけた李明博政権は、メディアへの露骨な政治介入を始める。狙われたのは公共放送局KBSと公営放送局MBC。政権に批判的な経営陣が排除され、調査報道チームは解散、記者たちは非制作部門へと追われた。両局の労働組合はストライキで対抗するが、政権が送り込んだ新しい経営陣は解雇や懲戒を濫発。その結果、政府発表を報じるだけの「広報機関」となった放送局は、〈セウォル号惨事〉で「全員救助」の大誤報を流し、〈崔順実(チェ・スンシル)ゲート事件〉の隠蔽に加担することになった……。

メディアの存在意義をかけたジャーナリストたちの抵抗

しかし、それでも諦めないジャーナリストたちがいた。局内に残った記者たちは、さらに激しいストライキに突入。いっぽう、不当解雇されたチェ・スンホ監督たちは、市民の支援で立ち上げた独立メディア「ニュース打破」で調査報道を継続。言論弾圧の「主犯」である大統領と、権力に迎合して韓国の報道を骨抜きにした放送業界内の「共犯者たち」をカメラの前に立たせ、その実態と構造とを明らかにしていく。

監督 チェ・スンホ 製作ニュース打破
韓国映画 105分 カラー 配給 東風 (C)KCIJ Newstapa

公式HP http://www.kyohanspy.com/
公式ツイッター https://twitter.com/kyohanspy
公式FACEBOOK https://www.facebook.com/kyohanspy/

*6月28日(金) 
会場 アオーレ長岡市民交流ホールA
上映時間 午後と夜の二回上映を予定してます。
料金とともに正式に決まりましたら、またこちらに掲載します。

主催 長岡アジア映画祭実行委員会!
問 電話09045204222 E-mail nagaokatsukurukai@gmail.com

HP http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/

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第14回 大阪アジアン映画祭 ~映画祭巡礼記~

大阪アジアン映画祭メインビジュアル

*S東京特派員の奥様による映画祭巡礼記。
昨年に続き大阪アジア映画祭です。
今年は日本でもヒットし話題を呼んでる『金子文子と朴烈』のチェ・ヒソが新作『アワボディ』ともに参加。
随分と華やいだ様子ですが、あの日本語はぜひ日本映画でも起用されてほしいと思いました。
ほかに『みじめな人』『ハイフォン』といった話題作も上映されたようです。

しかし巡礼記を読んでみずみずしい感覚で作品と向き合っているので、そういうセンスはこちらがもう失せかけているので羨ましくもあります。

大阪アジアン映画祭公式HP http://www.oaff.jp/2019/ja/index.html

『桃源』、ルー・ユーライ監督『桃源』作品ポスター『桃源』、ルー・ユーライ監督、作品ポスター

今年も大阪アジアン映画祭&関西街歩きに行ってきました!今年は『桃源』以外はすべてABCホールでの鑑賞でした。


『桃源』
(監督:ルー・ユーライ(呂聿来)、中国)
俳優・呂聿来による長編映画。ジャジャンクーが中国で始めた平遥国際映画祭で観客賞を取るなど、長編は初めてながらも注目されているです。
タイトルの『桃源』は映画の中で出てくる架空の都市名でもあり、人々が望む理想郷の意味でもあるとのこと。現実とのギャップを強調する効果を狙っての命名でしょうか。主人公の妻は夢のために出て行ってしまい、彼は前妻との間にできた子供の親権を取り戻そうとするのですが…。
この作品もそうですし、東京国際映画祭で上映された『詩人』(2018年上映)や、『迫り来る嵐』(2017年上映)、あるいは昨年の日吉電影説で上映された『Foolish Bird(笨鸟)』など、最近の中国映画では、何かを夢見ながら取り残され、現状から抜け出せない人々を描いたものがいくつかあるように思います(もちろんそれぞれにテーマが違うので、単純にひとくか。
撮影は中国東北部の遼寧省葫芦島市というところで行われたようで、映画の中の重苦しさを表すような暗めの風景が多いです。

『みじめな人』、オリヴァー・チャン監督『みじめな人』、オリヴァー・チャン監督

『みじめな人』
(監督:オリヴァー・チャン(陳小娟)、香港)
今年の観客賞を受賞した作品です。これは映画祭開催前から評価が高く、映画祭での二回の上映もどちらも完売という注目作でしたが、鑑賞して納得の素晴らしい作品でした。香港の障害者を描いた映画では一昨年の『一念無明』(邦題『誰がための日々』)がありましたが、こちらは障害者の孤立と一縷の希望を主に扱っていたのに対し、『みじめな人』は未来への希望を鮮やかに打ち出している描き方でした。国籍、言葉や習慣、性別、健常者と障害者、世代など、あらゆるものを超えた主人公二人の交流はあまりに美しく、人はどんな境遇にあっても夢を持ち続けることができると感じさせてくれる素晴らしい作品でした。

『過ぎた春』、バイ・シュエ監督と夫でプロデューサーのホー・ビン氏『過ぎた春』、バイ・シュエ監督と夫でプロデューサーのホー・ビン氏

『過ぎた春』
(監督:バイ・シュエ(白雪)、中国)
深圳から香港に通学する女子高生が、ひょんなことから越境密輸に手を染めてしまう。中国と香港の特殊な関係性と、主人公のペイペイの家庭環境や友人関係とが絡み合うことで、単なる青少年の犯罪描写に止まらず、いくつもの背景を感じさせる作品です。最初は軽い気持ちで密輸を始めたものの、それが次第に彼女を抜き差しならない状況へ追いやっていく構図は、昨年ヒットしたタイ映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』にも通じるようなスリリングさがありました。

『アワ・ボディ』、ハン・ガラム監督と主演のチェ・ヒソ『アワ・ボディ』、ハン・ガラム監督と主演のチェ・ヒソ

『アワ・ボディ』
(監督:ハン・ガラム、韓国)
主演は今『金子文子と朴烈』でも話題のチェ・ヒソ。トークでは流暢な日本語を披露してくれました。学業優秀でも就職がままならない韓国社会を描いていますが、一方では日本でも文系研究職のポストや就職氷河期世代などの問題もあり、映画の中の話は決して対岸の出来事とは思えません。
主人公は公務員試験を放棄した後、ある女性ランナーと出会うことで変わっていきますが、しかしその彼女も、仕事上の行き詰まりと思われるような描写の後に生きる意欲を失う様子が描かれ、結果的に死を迎えてしまいます。人が生きる上で必要なものはなんなのか、映画の結末の意味はどういうことなのか、観る人によってかなり捉え方は変わってくるのではないでしょうか。

『ブルブルは歌える』、ポスター『ブルブルは歌える』、ポスター

『ブルブルは歌える』
(監督:リマ・ダス、インド)
なんとほぼ親族や地元の人たちと作った映画のようです。エンドロールで流れる名前がほとんど同じ名字だったりしてびっくりしました。インド映画ですが歌や踊りは一切なく、画面も自然光だけで撮ったような素朴な映画です。青春を謳歌しているはずだった高校生の男女グループが、あるきっかけで村の人々の批判をいっせいに浴びてしまうことになり…。田舎の風習や前時代的な男女観などを淡々と描いており、派手なインドのイメージからは離れた、静謐で作家性の高い作品でした。

『悲しみより、もっと悲しい物語』、ポスター『悲しみより、もっと悲しい物語』ポスター

『悲しみより、もっと悲しい物語』
(監督:ギャビン・リン(林孝謙)、台湾)
韓国映画の台湾リメイク作品。本当はお互い誰よりも相手を想っているけれど、ある事情により恋人同士になったり結婚したりすることができない二人。真実を隠して相手のための演技を続けた果てに、最後は…。今回、『みじめな人』とかもそうなんですが、私は映画の中で「もし、こうだったら」という仮定の(最高に理想化された)シーンが挿入された後に現実が映し出されるという演出に弱いので、観ながら結構泣いてました。とくにウェディングドレスの「試着」って、前撮りや挙式よりも先に、一番最初に結婚を意識する段階かなと思うので、演出うまいなあと思うと同時にまんまと泣かされました。

『G殺』、リー・チョクパン監督と俳優のアラン・ロク『G殺』、リー・チョクパン監督と俳優のアラン・ロク

『G殺』
(監督:リー・チョクバン(李卓斌)、香港)
これは今回大阪アジアン映画祭で観た映画の中では一番好きかもです。猟奇的なような、それでいてセンチメンタルだったり繊細さだったりが同居するような不思議な作品でした。最初は関係のないエピソードが次々に出てくるように思えますが、それが徐々に繋がっていって、家族関係やクラスメイトとの関係性が分かってくる構造も面白いですし、最後のシーンであの二人は一体どこへ消えたのか、悲劇的にも受け取れるし、ファンタジックにも受け取れるような、面白い作品でした。香港、次々に面白い作品が出てきますね。

『視床下部すべてで、好き』、ドウェイン・バルタザール監督『視床下部すべてで、好き』、ドウェイン・バルタザール監督

『視床下部すべてで、好き』
(監督:ドウェイン・バルタザール、フィリピン)
アイリーンという一人の女性を中心に、彼女に夢中になる男たち4人を描いた映画ですが、面白いのはアイリーンそのものはどんな女性なのか具体的には描かれず、ただ理想的な女性というだけ。むしろ映画の核になるのは彼女のことを四六時中考えている男性たちです。映画の後半、それぞれの男性の前で、彼らがもっとも言って欲しそうなことを言い、して欲しそうなことをしてくれるアイリーン。よく見ると、同じ服を着ているように見えて、実は4人の男性それぞれの前で少しずつコスチュームも違っています。アイリーンを一人の実在する女性だと考えると全然辻褄が合わなくなっていくこの展開、果たして彼らはアイリーンを口説くことに成功したからこうしているのか、それとも各自の単なる甘い妄想なのか…。
映画のタイトルで「視床下部」なんて器官名を使うことなかなかないと思うのですが、それも含めて面白いアイデアだと思いました。

『ハイ・フォン』、レ・ヴァン・キエ監督『ハイ・フォン』、レ・ヴァン・キエ監督

『ハイ・フォン』
(監督:レ・ヴァン・キエ、ベトナム)
主演のゴー・タイン・バンは英語名ベロニカ・グゥで、なんと『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』でペイジ・ティコ(ケリー・マリー・トラン演じるローズの姉)の役をやっていた女優さんとのこと。『最後のジェダイ』、劇場で9回も観たのに、うちの旦那さんに言われるまでそのことに気づかなかったのでした。人の顔覚えられなさすぎです。
そんな彼女がとにかく型破りに強い母親を演じています。精神的に強いだけではなく武闘派としてもう意味が分からないくらい強い。誘拐された娘を取り戻すというストーリーで、展開はベタと言えばベタなのですが、とにかくパワフルで謎の勢いのある作品でした。ハリウッドのアクション映画とは一味違う味わいです。

『オレンジ・ドレスを着た女』
(監督:ジェイ・アベリョ、フィリピン)
私の大阪アジアン映画祭、ラスト一本はラブコメ。人気スターと普通の女の子のラブストーリーで、まるで少女漫画のような世界観でした。高級ホテルで繰り広げられる美男美女の恋…ラストももちろんハッピーエンドで、国を越えて普遍的に楽しめるテーマだと思いますが、時々路上で集まってテレビを見る市井の人々が出てきたり、スターに対する追っかけの姿勢などから、フィリピンらしい社会性を感じられる面もある映画です。

出町座のソコ1出町座のソコ2 出町座のソコ、

映画おみくじ1映画おみくじ2映画おみくじ

☆番外編・出町座のソコで映画おみくじを引く
去年も大阪アジアン映画祭のあとに行った出町座、今年も再訪しました。今回は映画は観ていませんが、その代わり去年は立ち寄らなかった出町座のソコ(併設のカフェ)でお茶しました。そして気になっていた映画おみくじに挑戦!結果は…『キャット・バルー』。知らない作品です!(爆)しかし、知らない作品に巡り合えるのがこのおみくじの醍醐味かもしれません。ほのぼのウェスタンと書いてあります。楽しそうな映画のようなので、今度ぜひ観てみたいと思います。

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