ハマのドン 横浜カジノ阻止をめぐる闘いの記録

国政選挙で勝てば何をやってもいい、そんな風潮になったのは、安倍政権になってからだ。安倍ー菅政権と自民党の一強時代が10年近く続き、数さえ押さえれば自分たちが民意だとすり替えて、国民の意見を重視しない。
http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/blog-entry-3963.html
↑こちらで紹介した松原文枝監督『ハマのドン』の取材過程を記録した新書版を読了しました。
冒頭の文章を読んで、また諸悪の根源が出てきたかと今の裏金問題のことも含めてウンザリ、
そして国民の声を聞くと出てきたハズの現政権がこの路線を踏襲しているのも含めて。
映画でも出てきたハズですが当初はカジノ誘致賛成だったハマのドンが、
これはマズイとなった要因がカジノ依存症のレクチャーを受けてから。
以後、90歳という年齢で身を挺してカジノ反対に血眼となる様を、
その生涯とともに記録しようと監督は取材に明け暮れてる様子を記録。
その流れで本の中で反対運動のチラシ配りをしてる主婦が、
ご主人のアメリカ赴任の際にカジノに赴いたら、
自分はスロットマシーンで1000円しか使わなかったものの、
友人は夫のカードで40万すったという光景を目にし、
近所にカジノを持ってくるのはよくないという小さき声にも耳を傾け、
ハマのドンを名もなき市民が共闘し最高権力者と闘う様、
それも予想外の出来事が次々と起こり振り回されながらも、
ドキュメンタリーとして手応えを感じていく松原監督の心情も綴っています。
映画の中で重要人物として登場するのがニューヨーク在住の日本人建築家・村丈武洋氏。
アメリカのカジノ設計に携わった経験から、
これが日本に入ったらいかに不味いか、その仕組みをハマのドンに教えた方。
映画よりも章を割いて、そのカラクリを明らかにしていますが、
まず推進派が挙げる最大の利点、地域への還元はないと断言してること。
ここを読んで映画を思い返して現在進行形の大阪が、
まずIR建設予定地の地ならしとして進める万博の惨状、
どんどん建設費が膨らみながら、一向に全貌が見えず、
大阪が要因でもはや日本が沈没へと突き進んでると言っても過言ではないので、
ハマのドンが周囲の反対を押し切ってカジノ反対へと舵を切ったことと、
誰もが無茶してると思いながらも止める者がいない大阪と、
どちらが正解だったか分かった頃には日本事態が再起不能になりかねないように思ってます。
映画化には間に合わなかったエピソードとして、
かつての恩人と真っ向からケンカしながら敗北した菅義偉氏は、
ハマのドンに詫びを入れたとのこと。
当然懐深いドンは受け入れたことと思い、
松原監督に願望として次の選挙で菅義偉をターゲットにれいわ新撰組から、
元官僚のエリートが立候補するので肩入れしないだろうか、
などと質問したのは完全に的外れだったなぁ、と反省しました。
ちなみに松原監督はすでに大きな実績があるのに、
手始めに『ハマのドン』のテレビ版を放映するために審査とプレゼンをしたことが意外に思いました。
その審査員に森達也監督と崔洋一監督があたったそうで、
崔監督が「港の描き方が甘い」と批判したそうで、これは納得。
ただ映画に対しての批判にカジノがダメでパチンコはいいのか?
というのはチト的外れに思いますが。
当然作り手はギャンブル依存症を視野に入れてるので、
カジノもパチンコもダメだけど今回は稀有な被写体がカジノ反対を掲げてるので、
それに沿った取材をした作品のハズだと。
あと森達也監督が映画にすることを進め、
その企画に乗って配給を引き受けたのが太秦というのは、
何か点と点が繋がり線になったような感慨もうけました。
しかし改めて港が博打をやるから国家が許さないでなく、
国家が博打をやるから港が許さないと真逆なのはホントに本末転倒だと。
今後、松原監督のお仕事を注視したいと思います。
https://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/1165-b/
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