第24回東京国際レズビアン & ゲイ映画祭 映画祭巡礼記
S東京特派員の映画祭巡礼記。
今回は7月11日~7月20日に開かれた「第24回東京国際レズビアン & ゲイ映画祭」です。
http://tokyo-lgff.org/2015/
会場のスパイラルホール
今年も東京国際レズビアン&ゲイ映画祭に行って来ました。
毎度のことながら会場の青山スパイラル・ホールはにぎやかで明るい雰囲気でとてもいい感じなのもこの映画祭の特色。
今年は台湾、インドネシア、韓国とアジア映画がまとめて1日で楽しめる編成だったのもうれしかったです。
それでは見た順に感想を。
まず最初の「焦点台湾」は3本の台湾映画の短編を集めたオムニバス。1本目の「誰が為に生きて」は映像アート風で難解でしたが、2本目の「北極で結婚式を」はコメディタッチでレズビアンのカップルを「運命の死化粧師」のニッキー・シエ、「台北カフェ・ストーリー」のリン・チェンシーと日本でも馴染みのふたりで母親と娘の対立をユーモアを交えて見せてホッとさせられました。続く「林檎と少年」は主人公の少年の思いとそれを知って戸惑う男性教師の話。人を好きになることのせつなさが出ていたと思います。
「太陽を失って」は20代~40代の3人の女性の一夜の出来事を描いた群像劇でそのうちの一人が同性愛者という設定。この映画同性愛者という以外にもさまざまな理由で女性が生きづらさを憶えるジャカルタという街を浮き彫りにする。同性愛映画というより女性映画ジャンルの作品としても捉えることができそう。こういう一晩の出来事を描いた映画が好き。ジャカルタの夜の風景が魅力的でした。ルッキー・クスワンディ監督は前作「マダムX」がTV特撮ヒーロー者のパロディのような作品だったのですが(2011年の福岡アジア映画祭で上映)、今回の作品で本格派と呼べる監督となったのではないでしょうか。次回作が楽しみ。
「夜間飛行」韓国のイ・ソン=ヒィル監督作品。中学時代仲のよかった三人組が家庭の事情もあったりして高校ではすっかり人間関係が変わりひとりは不良のリーダー、ひとりはいじめられっ子、そして主人公は不良になった友人に対する自分の気持ちに気づいていくという、いじめ問題と同性愛を扱った映画ですがそれらを含めて、今の学校がけっして生徒にやさしくはない場所になっていることを描いた映画のように感じました。観客の不満を代わりに爆発させてくれるような後半の学校での大暴れがカタルシスを感じさせるのとラストが救い。

こうして台湾、インドネシア、韓国の3本を見てみて、それぞれ各国のセクシャル・マイノリティの置かれている状況や、表現の規制も映画を通じて見ることができるように思いました。L&G映画祭で上映された作品は他にアメリカ、フランス、イギリス、スイス、チリなど。それぞれの国にある多様性に触れられるのもこの映画祭の魅力ではないでしょうか。あと、けっこうユーモラスな楽しい作品が多いです。まだ行ったことがないという方、次回開催時に行ってみてはいかがでしょうか?会場の楽しい雰囲気も魅力的です。
今回は7月11日~7月20日に開かれた「第24回東京国際レズビアン & ゲイ映画祭」です。
http://tokyo-lgff.org/2015/

今年も東京国際レズビアン&ゲイ映画祭に行って来ました。
毎度のことながら会場の青山スパイラル・ホールはにぎやかで明るい雰囲気でとてもいい感じなのもこの映画祭の特色。
今年は台湾、インドネシア、韓国とアジア映画がまとめて1日で楽しめる編成だったのもうれしかったです。
それでは見た順に感想を。
まず最初の「焦点台湾」は3本の台湾映画の短編を集めたオムニバス。1本目の「誰が為に生きて」は映像アート風で難解でしたが、2本目の「北極で結婚式を」はコメディタッチでレズビアンのカップルを「運命の死化粧師」のニッキー・シエ、「台北カフェ・ストーリー」のリン・チェンシーと日本でも馴染みのふたりで母親と娘の対立をユーモアを交えて見せてホッとさせられました。続く「林檎と少年」は主人公の少年の思いとそれを知って戸惑う男性教師の話。人を好きになることのせつなさが出ていたと思います。
「太陽を失って」は20代~40代の3人の女性の一夜の出来事を描いた群像劇でそのうちの一人が同性愛者という設定。この映画同性愛者という以外にもさまざまな理由で女性が生きづらさを憶えるジャカルタという街を浮き彫りにする。同性愛映画というより女性映画ジャンルの作品としても捉えることができそう。こういう一晩の出来事を描いた映画が好き。ジャカルタの夜の風景が魅力的でした。ルッキー・クスワンディ監督は前作「マダムX」がTV特撮ヒーロー者のパロディのような作品だったのですが(2011年の福岡アジア映画祭で上映)、今回の作品で本格派と呼べる監督となったのではないでしょうか。次回作が楽しみ。
「夜間飛行」韓国のイ・ソン=ヒィル監督作品。中学時代仲のよかった三人組が家庭の事情もあったりして高校ではすっかり人間関係が変わりひとりは不良のリーダー、ひとりはいじめられっ子、そして主人公は不良になった友人に対する自分の気持ちに気づいていくという、いじめ問題と同性愛を扱った映画ですがそれらを含めて、今の学校がけっして生徒にやさしくはない場所になっていることを描いた映画のように感じました。観客の不満を代わりに爆発させてくれるような後半の学校での大暴れがカタルシスを感じさせるのとラストが救い。

こうして台湾、インドネシア、韓国の3本を見てみて、それぞれ各国のセクシャル・マイノリティの置かれている状況や、表現の規制も映画を通じて見ることができるように思いました。L&G映画祭で上映された作品は他にアメリカ、フランス、イギリス、スイス、チリなど。それぞれの国にある多様性に触れられるのもこの映画祭の魅力ではないでしょうか。あと、けっこうユーモラスな楽しい作品が多いです。まだ行ったことがないという方、次回開催時に行ってみてはいかがでしょうか?会場の楽しい雰囲気も魅力的です。
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