長岡アジア映画祭実行委員会!ブログ

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『中国インディペンデント映画祭2015』 映画祭巡礼記

S東京特派員の映画祭巡礼記。
2015年の締めは『中国インディペンデント映画祭2015』です。
ありがとうございます。本年もよろしくお願いします。

http://cifft.net/index.htm

会場のポレポレ東中野。会場のポレポレ東中野

2015年、いろんな映画祭が東京でありましたが、しめくくりは12月にポレポレ東中野で開催された「中国インディペンデント映画祭2015」。
商業作品でない作家性の高い映画を集めた映画祭で2年ぶりの開催です。
14本の上映作品のうち、見たのは12本。以下感想です。

「K」
カフカの「城」を内モンゴルを舞台にして映画化。
特に原作を変えずに中国で中国人が演じているんですがけっこう様になっていて不思議な作品でした。
イギリス人とモンゴル人による共同監督作品のせいかヌードシーンもあり。ヒロインが色っぽかったです。

「トラップストリート」
トラップストリートというのは地図の無断コピーを防ぐために書かれた架空の道路のことで、この映画では逆に地図に書かれていない道を主人公が発見し、そこで出会った謎めいた美女に恋したばかりに不条理な世界に入り込んでしまうというミステリアスな物語。
「薄氷の殺人」のプロデューサーの初監督作品です。

「シャドウデイズ」
雲南省の山中にある廃墟の町に住む住民たちを描いたドキュメンタリー「ゴーストタウン」の監督が同じ町を舞台にした劇映画。ゴーストタウンを使って撮影しているので最初からどことなく異様な空間なんですが途中から話が怪談調になり、中国映画としては珍しいことに幽霊が出現します。
この心霊表現も見どころです。

「凱里ブルース」のビー・ガン監督は北京からスカイプで参加。
「凱里ブルース」のビー・ガン監督は北京からスカイプで参加。

「凱里ブルース」
映画祭のHPに書いてあるストーリーを読んでも自分が見たのがそんな話だったのかなんとも不安になってしまう幻想的な映画。
とちゅうに出てくる村に入ってからの30~40分の間切れ目なしワンカットの場面が圧巻。

「冬」
冬の雪山で登場するのは老人と子供と鳥と魚のみで語られる生命と愛についての寓話。
73分セリフなし、という実験作です。

「寝ても覚めても」
今回特集で4本の作品が上映されている王超監督の2004年の作品。
他に「江城の夏」は2006年、「幻想曲」は2014年の作品。
主人公やその家族に起こった悲劇と、残された者のどうしようもなさとその後の生き様を描いているという共通点があるように感じました。
日本ではデビュー作の「安陽の赤ちゃん」が日本で過去に公開されただけですがジャ・ジャンクー、ロウ・イエといった監督の作品のように新作が出るたびに日本で公開されてもいいのではないかという気がします。

「癡」のチョウ・ジョンジョン監督(右)
「癡」のチョウ・ジョンジョン監督(右)

「癡」
ドラマ部分もあるドキュメンタリーという形式。
反右派闘争といういまや歴史的な過去のできごとを伝える手段としてドキュメンタリーだけでは弱いという判断で(あとドキュメンタリーばかり撮ってきて監督がドキュメンタリーに飽きたらしい)こういう形になったようでドラマ部分もまるで演劇のような抽象的なセットで演じられていて面白かったです。

「えぐられた目玉」のシュー・トン監督(中央)
「えぐられた目玉」のシュー・トン監督(中央)

以上がフィクション映画ですが、最近はインディペンデントといっても日本ならメジャーな作品並みの制作費で作られる劇映画があるとのことで中国インディペンデント映画の世界も変わってきつつあるのかもしれません。
でもあまり変わらないのがドキュメンタリー映画で、今回上映された「最後のハンダハン」は「オルグヤ、オルグヤ…」のグー・タオ監督がずっと撮り続けているエヴェンギ族の人々を描いた最新作だし、「えぐられた目玉」は「占い師」のシュー・トン監督のまなざしの優しさが登場人物の生身の人間性を引き出してめっぽう面白い。ドキュメンタリーなのに場内大爆笑という場面もけっこうありました。

「最後のきこりたち2014年版」は07年に作られたオリジナルの再編集版。たぶん今回初めて見た観客が上映中何回も驚きの声を上げるのを聞きました。オリジナル版を見たときの驚きは今も変わらなかったです。

年が明けて年間ベストテンが発表されてきました。
キネマ旬報の日本映画ベストテンでは「恋人たち」「ハッピーアワー」といったメジャーではないノースター映画もランクインしていました。
インディペンデント映画は束縛がない分商業映画ではできない面白さを獲得しているともいえます。商業作品だけではない、映画の多様な面白さを知ることができて、そして映画祭上映をきっかけにその作品が全国の劇場に広まっていくようになっていけたらいいな、と思います。

http://cifft.net/index.htm
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