可愛い悪魔

http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/blog-entry-115.html
↑こちらでご紹介した“鎌倉座”の今月のご報告。
今回は大林宣彦監督の大ファンの方が貴重な幻の作品をご持参いただき観賞。
なんでもその昔の「火曜サスペンス劇場」で放映されたものですが、
さすがに大林監督だけにテレビドラマでなく、きっちり映画として魅せてくれました。
お話は己の欲望と我儘のために次々と殺人を犯す女の子“アリス”
彼女の犯行を疑いながらも自身はかつて精神病棟に入院してたため、
周囲が信じてくれずに途方に暮れてしまうピアノ教師(秋吉久美子 奇麗)の姿を描ききりますが、
そもそも子どもが連続殺人犯なことに加え精神病棟、幼児虐待、幼女への性的嗜好などを、
盛り込んでおり今なら全てタブーだろうけど、
当時でもかなりの冒険だっただろうと想像できました。
しかし大林映画らしく過剰に音楽を流しながらも優雅な遊び心を折り込み、
若き日の大林監督も登場する悪ノリもあって退屈させずに楽しめました。
もちろん世にも恐ろしいホラーではありますが。
アリスに求愛する怪しげなボートハウス主人になぜかみなみらんぼう氏が扮してましたが、
女の子に散々振り回されたあげく最後に殺されてしまうのはロリコンにとって本望ではなかろうかと。
そして避暑地の風景や洋館のゴシック風なところなど、どこか山本迪夫監督(長岡出身です)の「血を吸う薔薇」を想起させるなぁ、と思って見てましたがやはり謎の男は岸田森だそうで嬉しかったです。
大人たちを振り回す幼女が“アリス”ということだけで、彼女に注ぐ監督の視線もギリギリな感性・嗜好が覗かれおぼろげにアブなさも感じますが、 それを覆う“映像の魔術師”ぶりに脱帽してました。
とはいえかなり後味が悪いのは確かなのでデザートとして長岡ロケしたAKB48のPV「So long!」を流して、いろいろ思い返しながら見てました。
アリスへの視線、AKBへの視線、どちらも重なるものを感じて、そのブレなさはサスガではなかろうかと。
http://www.youtube.com/watch?v=eZ4jYWQh7tE
お食事をいただきながら感想を話し合ってましたが、自分は大林監督にはいろいろ複雑な思いがあるものの、知ってる大林監督のエピソードをいささか後ろめくも得意気に話しておりました。
そして「So long!」のロングヴァージョンの方はまだ見てなかったのでDVDをお借りしました。
ありがとうございます。
この日は少数参加でしたが、こんな感じで月に1回開いてますので参加をご希望の方はご連絡願います。
写真は鎌倉座の新メニューです。
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