長岡アジア映画祭実行委員会!ブログ

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TOKYO FILMeX 2016 ~映画祭巡礼記~

S東京特派員の映画祭巡礼記。
今年も東京国際映画祭に続いての『第17回東京フィルメックス』です。
http://filmex.net/2016/

今回は″香港のクロサワ”と呼ばれてたことも懐かしい中華圏最大の巨匠キン・フー最高傑作『俠女』がスクリーンに甦り、当然S特派員は足を運んでおりました。
などと書いてたら『残酷ドラゴン・血斗!竜門の宿』『迎春閣之風波』『忠烈図』『山中傳奇』等々、血沸き肉躍ったキン・フーの名作の数々が脳裏に浮かんできました。
特にサモ・ハン・キンポーが倭寇の海賊として大暴れする『忠烈図』の凄まじさは特筆でしたが、
晩年は途中降板した『スウォーズマン/剣士列伝』(それでも面白い)や遺作としては邦題があれな『ジョイ・ウォンの魔界伝説』などなど不遇だったかもしれませんが、これを機にまた再評価の機運が高まってほしいです。



私の今年のフィルメックスは「アジア映画のシンポジウム」と題されたトーク・イベントが最初。
こうしたイベントは映画の上映と同時に行われたりしたので映画の上映と重ならないのはありがたかったです。
私がこの中の発言で印象に残ったのは、
(1)日本は政府による映画に対する支援が乏しい
(2)プロデューサーの重要性
(3)国際的な共同制作はもっとさかんにすべき。アジアはヨーロッパにくらべ国内で完結しすぎてる
(4)批評家の発信力が弱い。うろおぼえですがこんな感じ。映画の将来をみんな真剣に考えてるんだなと感じました。聞けてよかったです。

以下今回見た映画の感想。
「エグジール」は「消えた画」のリディ・パン監督によるポルポト政権下のカンボジアで両親や親族を殺された体験に基づく映画。
ドラマ仕立てではなく、当時少年だった監督が暮していたであろう小屋とその周囲だけが舞台という簡潔さで、しかしそこにさまざまなものがミニチュアやセットで現れる。
過去の体験の再現ではなく、その時間に考えてきたことの再現、人は虐殺をどんな風に記憶しているかについての映画のように感じました。詩の様な映画でした。

「苦い銭」は「収容病棟」のワン・ビンの最新作。
今回も中小規模の縫製工場で劣悪な環境の中低賃金で働く人々を追っていて中国の労働問題を告発する内容かと思いきや、そういう要素もありますが、開始1時間ぐらいでそういう視点を突き抜けてしまい、最終的にはなんてことはないはずの工場の町の中になんともいえない生命の輝きの美しさみたいなものを見出すことになります。
毎回驚かされるワン・ビンマジックは今回も健在。

「私たち」のユン・ガウン監督(中央)「私たち」のユン・ガウン監督(中央)。

「私たち」は韓国の女性監督ユン・ガウン監督のデビュー作。
小学校4年生の女の子が主人公。子供の世界がどんなものだったのか、ああ、自分もそんなだったな、と思わせる説得力。
ユン監督新人とは思えない力量だと思いました。
その世界はすごく狭い。でも周りには少女はまだよく分らないがまたちがう世界がある。
ちょっとしたことでふいにそのことに気づいていく。
子供が主人公ですが大人が見るべき映画。主人公を演じた子役もすばらしかった。

「恋物語」のイ・ヒョンジュ監督(左)。 「恋物語」のイ・ヒョンジュ監督(左)

「恋物語」イ・ヒョンジュ監督。
レズビアンのカップルを描いた映画ですが監督によれば恋愛について興味があるということで、なるほど主人公たち以外にもこの映画にはさまざまな恋愛模様が描かれます。
韓国では同性愛でもとりわけ女性の同性愛に対して不寛容らしく、恋愛の中でももっとも困難が多い恋愛として取り上げたのかもしれません。恋愛は苦しいことだらけだけど希望もある…という監督の期待も感じられた作品でした。

「ティクン~世界の修復」イスラエルのアヴィシャイ・シヴァン監督作品。
ユダヤ教の神学生がまじめ一辺倒だった性格が臨死体験を経てしだいに今の自分に悩みはじめ…と書くとシリアスな話みたいですが実際の映画はかなりブラックな笑えるところもチョイチョイありたぶんユダヤ教に基づく映画なんでしょうがまったく無知な私にも楽しめる映画でした。イスラエル映画要注目です。

以上は新作ですがフィルメックスは過去の名作の発掘も毎回取り組んでいて今年は台湾映画から1971年のキン・フー監督「俠女 デジタル修復版」と1985年のエドワード・ヤン監督「タイペイ・ストーリー」。どちらもデジタル・リマスター版での上映でした。

「タイペイ・ストーリー」は80年代らしい暗さ。
エドワード・ヤン監督の作品は後半の温かみのある作品のほうが好きですが寒々とした都会の描写の初期の作品もまた独自のよさがあります。
アメリカと並んで日本が台湾に住む人にとってあこがれだったというのが時代を感じさせます。

「俠女」は武俠アクション映画に分類されると思いますが「聊斎志異」が原作なのに原作の怪奇要素をなくし、政治闘争劇にしたもので、さらにクライマックスは人間の闘争の果てに神秘的な力が現れるというキン・フー独特な世界感で後年の香港製の武俠映画とは一線を画す堂々たる大作でした(3時間もあります)。
大スクリーン向けに映画が作られていた時代の映画。
こうした過去の作品を改めてみることも映画の多様さを感じるいい機会だと思います。去年のピエール・エテックスなんか実によかった。

今年はあまりコンペ作品を見れなかったのが残念。
フィルメックスの上映がきっかけになり日本で公開されることを期待したいと思います。
もちろん来年のフィルメックスも見に行きたいとます。
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