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長岡アジア映画祭実行委員会!ブログ

新潟県長岡市で活動します長岡アジア映画祭実行委員会!です。

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闇からの谺

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昨日の新潟日報に小さくても韓国の女優・崔銀姫(チェ・ウニ)さんが91歳で亡くなったと訃報記事が掲載されていました。
異色なのは女優なら普通は代表作が書かれているものですが、この崔銀姫さんの場合は書かれておらず、その代わり読者が何に目を惹くかというと北朝鮮に夫の申相玉(シン・サンオク)監督とともに78年から86年もの間、拉致されていたことでした。

二人を拉致したのは当時はNo2だった金正日(キム・ジョンイル)総書記。
大の映画狂でも知られる金総書記は他国に比べて自国の映画劣ってることに不満を持ち、それならばてっとり早く隣国の人気監督を拉致して映画を作らせろと先に崔銀姫さんを、すぐ後に申相玉監督を拉致してしまうのですが、この申相玉監督の凄いところは最初は軟禁されたのに、やがて逃亡を企てたのが見つかり強制収容所に連行、辛酸を味わいながらも不屈の闘志を抱えて金総書記から確約を取り付け、検閲が厳しくなってた韓国でできないことをやろうと、いわば北朝鮮をスポンサーに、奥さんの崔銀姫さんは俳優への演技指導を行うなど、夫妻二人揃って腹をくくって北朝鮮で映画つくりに邁進。

その中の申相玉監督の代表作が『プルガサリ 伝説の大怪獣』で当時の東宝から特撮チームを招き、怪獣プルガサリが巨悪を退治しながらも、どんどん大きくなって庶民には手に負えなくなる様はどこか教訓めいており、怪獣映画の中でも群を抜いた傑作と言っても過言でありませんでした。

それでこじつけになりますが1996年に長岡市立劇場で『長岡アジア・プレ映画祭』を市民映画館をつくる会の時に開催し、目玉は『恋する惑星』でしたが、その中に北朝鮮映画『怪傑、洪吉童(ホンギルドン)』を上映しました。
http://tsukurukai.blog103.fc2.com/blog-entry-92.html

洪吉童は朝鮮半島に伝わる伝説の義賊で最近も韓流ドラマで題材になってたようですが、この北朝鮮映画は日本でいえばブルース・リーブームのように北朝鮮で人気爆発、相当な盛り上がりを見せたほか、どうもこの映画も申相玉がプロデュースしアクションシーンにワイヤーワークが取り入れられてるのは、香港のアクションチームが参加しるからで、おそらく申相玉のコネクションではないかと思います。
最もそんなことは後から気づいたものですが、今思えば北朝鮮のアクション映画を長岡市立劇場の大スクリーンを35㎜フィルムで上映したことは本当に貴重な機会で、あれからもう観る機会などなく、もうちょっと腰を据えて観ておけと当時の自分に言いたいです。

話は長くなりましたが崔銀姫さんと申相玉監督が二人で共著したのが『闇からの谺』
二人が拉致された時、内部から見た北朝鮮をあからさまに執筆しています。
ここに登場する金正日の孤独な暴君の姿はとても印象深いのですが、これを読み終え思ったのは映画化してくれないかと。
特に『プルガサリ』撮影後にウィーンのアメリカ大使館に亡命するくだりなど、ハラハラドキドキの冒険小説そのものではないかと思いました。
その後にドキュメンタリーでこの時代の二人を記録した『将軍様、あなたのために映画を撮ります』が公開されてますが、やはり実写化を今の韓国映画の力技で撮ってほしいこと、この先の北朝鮮情勢がどうなるのかわからないだけに。

ともかく崔銀姫さん、波乱の幕を母国で閉じられたことはそれでも良かったのではないかと記事を読んで思いました。
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