『ラスト・ワルツ』をもう一度

「テキサスのでかい酒場に呼ばれてライブをやったことがある。
ボロボロのホールで屋根がなくスカイラウンジバーと呼ばれてた。
そのどでかいホールに客はたったの三人。
後でその酒場を経営していたのはジャック・ルビーだと知った」
↑ザ・バンドとケネディ暗殺が妙な繋がりがあったとロビー・ロバートソンが話していたのか。
かつて市民映画館をつくる会の事務所に誰が持ってきたのか『ラスト・ワルツ』の輸入盤ビデオが置いてあり、
監督がマーティン・スコセッシなのでいつか見なければと思ってたものの、輸入盤なんで躊躇しておりましたが、
ちょうど同じくスコセッシの『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』の上映会ができないかと思ってた頃、
このビデオを取り出しホームシアターくらいのスクリーンにプロジェクターで映写しながら見ていたことがありました。
当然、台詞はよくわからず出演者もボブ・ディラン、エリック・クラプトンくらいしか顔と名前が一致せずに眺めていたものの、やはりフィナーレの赤茶けた照明の中での「I Shall Be Released」がグッと来たことを覚えてました。
その『ラスト・ワルツ』が公開40周年を記念してのデジタルリマスター版がシネ・ウインドでも公開。
僅か一週間、それも午後一回の上映なんでムリヤリ時間を作って観に行きました。
勿論苗場でも着ていったボブ・ディランヲタTを着て。
次から次へと豪華なアーティストが登場しながらザ・バンドに焦点を充てていることがロック狂のスコセッシの面目躍如、そこにパンクがムーブメントの到来と、その後に巨大な産業としてのロックの時代を迎えることをどこかで予感しながら、その流れに乗るにせよ溺れるにせよザ・バンドというかロビー・ロバートソンが、流れを前にピリオドを打つ決意としてこのフィルムが残ったんだろうと。
そしてお目当てのボブ・ディランはフィナーレも含めて3曲で登場。
何年かぶりに聴いて目にする「I Shall Be Released」はやはり、観賞後もずっと頭の中をぐるぐる回って余韻を残してくれました。
自分は解き放たれることはあるんだろかと。
上映後、シネ・ウインド支配人が目の前に現れ立ち話をした中で、
映写はじめたらそれっきりでなく、本作の上映に際し映写時に館内の様子を見ながらボリュームを調整していたと話し、
その心配りが嬉しく思いました。
そういえば市民映画館をつくる会にて、上映できた『ザ・ローリングストーンズ シャイン・ア・ライト』
会場の長岡市立劇場の音響担当の職員さんがこの上映会のためにスピーカーを新たに導入したと意気込んで話したことを思い出し、よくよく思えば端に上映しただけでなく、随分贅沢な上映会だったんだと、後になって思い出すのもバカな話でした。
この前、新装オープンした市立劇場に行ったら、あの音響さんがいなかったので残念でしたが。
そんなわけで『ミーン・ストリート』でかのロバート・デ・ニーロ演じるクズ野郎が両手に花を抱いてニヤニヤしながら登場するシーンに『ジャンピンジャックフラッシュ』を流して痺れさせてマーティン・スコセッシ。
そういったセンスだから改めて本作を観てロックへの尋常でない思い入れを再確認させてくれました。
そんなわけで『ラスト・ワルツ』から様々なことが駆け巡ったので個人的なことを書き連ねました。
ついでにこの日は『マルクス・エンゲルス』も観たら、エンディングに『ライク・ア・ローリングストーン』が流れて
共産党宣言、資本論の後には唐突というか強引じゃなかろうかと、こちらもぐるぐるしていたディラン二本立てでした。
https://lastwaltz.net-broadway.com/
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