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長岡アジア映画祭実行委員会!ブログ

新潟県長岡市で活動します長岡アジア映画祭実行委員会!です。

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『止められるか、俺たちを』 高田世界館 井上淳一監督トーク



昨年の3月11日に長岡上映会を開いた『大地を受け継ぐ』の井上淳一監督が脚本を執筆、1970年前後に若松孝二監督のもとに集った若者たちの青春群像を白石和彌監督がメガホンを取った『止められるか、俺たちを』

高田世界館での公開初日に井上監督が来館しトークをするので足を運びました。

本作を観ながらずっと門脇麦が演じた吉積めぐみという女性を何度か実際に目にしたような錯覚が。

1969年の新宿であてどもない毎日を過ごしているうちに若松孝二という当時、30代前半なのに貫禄十分のカリスマに弟子入りしたこの女性は若松監督に怒鳴られながらも現場をこなすうちに、助監督として頭角を現し修羅場のような現場で鬼才の傍らにいる大きな存在に。

どこで目にしたかと思い出すと自分がエキストラや現場手伝いで目にした、いつも腰にガムテープなどがぶら下がってるベルトをし脚本を手にしながら、時に声をあげ現場を駆けずり回ってる女性スタッフといつしか重なっていました。

初めて担当者が参加したエキストラが『白痴』の大規模なモブシーン。
徹夜での撮影で初めて現場を目にしたこちらは手塚眞監督がエキストラを指示するんじゃなく、監督の意を汲んだチーフ助監督がさらに、その下についてる助監督たちに指示を出し、こちらエキストラ集団にはただ歩くだけのシーンだけど、その場の状況を加味してこんな風にしてくださいと歩き方の指示を出していたのが女性スタッフだったので、この人はどんな思いで映画の現場にいるのか、大変興味を持った覚えがあります。

また独・日合作の『漁師とその妻』という映画に一週間ほど現場手伝いに参加した際、日本側のスタッフと毎日参加してると次第に打ち解け、
女性スタッフについて「化粧っ気がないから、どうも女と意識しなくなる」
などと男のスタッフから、言われてたことを思い出し、確かに映画の門脇麦も男だけの集団の中で次第に女を捨てていってるように見えました。

そしてエキストラとして刈羽村の撮影で目にした『キャタピラー』の若松組の現場は『止められるか、~』と同じ大日方教史プロデューサー、辻智彦撮影監督といったベテランに、さらに大ベテランで小林茂監督とも仕事をしている久保田幸雄録音技師の他は本当に映画学校を出たばかりのような若い人達で占められ、『止められるか~』の頃と若松組のやり方というのはそんなに変わってないんだなぁ、と観ながら思ってました。

そうか、若松組にいた吉積めぐみという映画人は各現場で目にし、今に連なる女性スタッフの先駆けの人なのかと、その彼女がプータロー生活から抜けて熱を込めて仕事をする居場所を見つけながらも、次第に目的を見失っていく様は、観客の多くが共感得るハズ。

ただ若松組の女性スタッフというと、もう一人、若松監督とケンカをして辞めたと聞いてる浜野佐知監督がいるので、上映を終え井上監督トークの際の質疑応答で、他に誰も挙手しないのを見計らって
「浜野佐知監督が若松プロに来るのは吉積めぐみの前なのか?後なのか?」
などと尋ねてしまいましたが、この前に来たものの若松監督と反りが合わずすぐに辞めたようでした。
映画の中に吉積めぐみが若松プロに入る際、
監督のセリフとして「浜野みたいなのじゃないだろな」というのを入れてたものの、
本編ではカットされたそうです。

担当者はもう数年前に新潟のピンク映画館・大要に尊敬する映画ファンとともに足を運んだら、
http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/blog-entry-89.html
浜野監督の作品が上映されてて、クレジットを見て驚いたこともあり、一般映画にも進出しながらピンク映画界では現役の大御所というのががどうも気になったりしています。

パンフレットに井上監督からサインをしてもらった際に
「浜野監督はこの映画を観たんでしょうか?」
と尋ねたら、井上監督は浜野監督と交流があるらしく観たらしいとのこと。
どのような感想を抱いたか気になりましたが、

パンフレットの若松プロのレジェンドの座談会の中で
「妙なライバル意識があったよね、めぐみは佐知に」
などと荒井晴彦先生が話してて、こうなると二人が同世代を生きてたのか、
浜野佐知監督の吉積めぐみ像はどんななんだろうかと。

上映後の井上監督トークの中で映画に登場した若き日の足立正生、秋山道男、高間賢治、荒井晴彦といったレジェンドの面々はその後に名を残した勝ち組。
若松プロには入ってすぐに辞めた者などがたくさんいる。
吉積めぐみはいわば、そういった負け組という趣旨で話されてましたが、
その負けた者の側に光を照らし、共に若松監督の弟子である白石監督も井上監督もおそらく自分を重ねながらその名前を人々の前に刻もうとして本作を完成させたのでは、それは十分に遂げられてる映画だと思いました。

ただ吉積めぐみは生き続けたら若松孝二に刃を向ける存在になったのだろうかと。

そして若松監督を演じた井浦新は完コピというのか、自分が目にした若松監督を三十代にしたら、本当にこんなだろうと思うほどで圧巻、さらに数々のセコいエピソードが登場しますが、その若さで映画界を切り開こう自ら独立プロを率いてたと思うと、それもやむおえず改めてその情熱に頭が下がる思いと、映画祭で『キャタピラー』を上映し、お招きした際のこちらの常識が全く通じない独善ぶりと、数々の恩讐の果てにみた人たらしの笑顔をやはり思い出しながら観ておりました。

『止められるか、俺たちを』は高田世界館では12月7日まで。
http://takadasekaikan.com/

シネ・ウインドでは11月30日まで公開してます。
https://www.cinewind.com/

『止められるか、俺たちを』
http://www.tomeore.com/

追伸 観客の一人に五藤利弘監督の弟さんが。
世界館に来るほど映画好きだとは知らなかったので驚き、
上野支配人に紹介して機会ができたら五藤監督作の上映を依頼しました。
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