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長岡アジア映画祭実行委員会!ブログ

新潟県長岡市で活動します長岡アジア映画祭実行委員会!です。

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第14回 大阪アジアン映画祭 ~映画祭巡礼記~

大阪アジアン映画祭メインビジュアル

*S東京特派員の奥様による映画祭巡礼記。
昨年に続き大阪アジア映画祭です。
今年は日本でもヒットし話題を呼んでる『金子文子と朴烈』のチェ・ヒソが新作『アワボディ』ともに参加。
随分と華やいだ様子ですが、あの日本語はぜひ日本映画でも起用されてほしいと思いました。
ほかに『みじめな人』『ハイフォン』といった話題作も上映されたようです。

しかし巡礼記を読んでみずみずしい感覚で作品と向き合っているので、そういうセンスはこちらがもう失せかけているので羨ましくもあります。

大阪アジアン映画祭公式HP http://www.oaff.jp/2019/ja/index.html

『桃源』、ルー・ユーライ監督『桃源』作品ポスター『桃源』、ルー・ユーライ監督、作品ポスター

今年も大阪アジアン映画祭&関西街歩きに行ってきました!今年は『桃源』以外はすべてABCホールでの鑑賞でした。


『桃源』
(監督:ルー・ユーライ(呂聿来)、中国)
俳優・呂聿来による長編映画。ジャジャンクーが中国で始めた平遥国際映画祭で観客賞を取るなど、長編は初めてながらも注目されているです。
タイトルの『桃源』は映画の中で出てくる架空の都市名でもあり、人々が望む理想郷の意味でもあるとのこと。現実とのギャップを強調する効果を狙っての命名でしょうか。主人公の妻は夢のために出て行ってしまい、彼は前妻との間にできた子供の親権を取り戻そうとするのですが…。
この作品もそうですし、東京国際映画祭で上映された『詩人』(2018年上映)や、『迫り来る嵐』(2017年上映)、あるいは昨年の日吉電影説で上映された『Foolish Bird(笨鸟)』など、最近の中国映画では、何かを夢見ながら取り残され、現状から抜け出せない人々を描いたものがいくつかあるように思います(もちろんそれぞれにテーマが違うので、単純にひとくか。
撮影は中国東北部の遼寧省葫芦島市というところで行われたようで、映画の中の重苦しさを表すような暗めの風景が多いです。

『みじめな人』、オリヴァー・チャン監督『みじめな人』、オリヴァー・チャン監督

『みじめな人』
(監督:オリヴァー・チャン(陳小娟)、香港)
今年の観客賞を受賞した作品です。これは映画祭開催前から評価が高く、映画祭での二回の上映もどちらも完売という注目作でしたが、鑑賞して納得の素晴らしい作品でした。香港の障害者を描いた映画では一昨年の『一念無明』(邦題『誰がための日々』)がありましたが、こちらは障害者の孤立と一縷の希望を主に扱っていたのに対し、『みじめな人』は未来への希望を鮮やかに打ち出している描き方でした。国籍、言葉や習慣、性別、健常者と障害者、世代など、あらゆるものを超えた主人公二人の交流はあまりに美しく、人はどんな境遇にあっても夢を持ち続けることができると感じさせてくれる素晴らしい作品でした。

『過ぎた春』、バイ・シュエ監督と夫でプロデューサーのホー・ビン氏『過ぎた春』、バイ・シュエ監督と夫でプロデューサーのホー・ビン氏

『過ぎた春』
(監督:バイ・シュエ(白雪)、中国)
深圳から香港に通学する女子高生が、ひょんなことから越境密輸に手を染めてしまう。中国と香港の特殊な関係性と、主人公のペイペイの家庭環境や友人関係とが絡み合うことで、単なる青少年の犯罪描写に止まらず、いくつもの背景を感じさせる作品です。最初は軽い気持ちで密輸を始めたものの、それが次第に彼女を抜き差しならない状況へ追いやっていく構図は、昨年ヒットしたタイ映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』にも通じるようなスリリングさがありました。

『アワ・ボディ』、ハン・ガラム監督と主演のチェ・ヒソ『アワ・ボディ』、ハン・ガラム監督と主演のチェ・ヒソ

『アワ・ボディ』
(監督:ハン・ガラム、韓国)
主演は今『金子文子と朴烈』でも話題のチェ・ヒソ。トークでは流暢な日本語を披露してくれました。学業優秀でも就職がままならない韓国社会を描いていますが、一方では日本でも文系研究職のポストや就職氷河期世代などの問題もあり、映画の中の話は決して対岸の出来事とは思えません。
主人公は公務員試験を放棄した後、ある女性ランナーと出会うことで変わっていきますが、しかしその彼女も、仕事上の行き詰まりと思われるような描写の後に生きる意欲を失う様子が描かれ、結果的に死を迎えてしまいます。人が生きる上で必要なものはなんなのか、映画の結末の意味はどういうことなのか、観る人によってかなり捉え方は変わってくるのではないでしょうか。

『ブルブルは歌える』、ポスター『ブルブルは歌える』、ポスター

『ブルブルは歌える』
(監督:リマ・ダス、インド)
なんとほぼ親族や地元の人たちと作った映画のようです。エンドロールで流れる名前がほとんど同じ名字だったりしてびっくりしました。インド映画ですが歌や踊りは一切なく、画面も自然光だけで撮ったような素朴な映画です。青春を謳歌しているはずだった高校生の男女グループが、あるきっかけで村の人々の批判をいっせいに浴びてしまうことになり…。田舎の風習や前時代的な男女観などを淡々と描いており、派手なインドのイメージからは離れた、静謐で作家性の高い作品でした。

『悲しみより、もっと悲しい物語』、ポスター『悲しみより、もっと悲しい物語』ポスター

『悲しみより、もっと悲しい物語』
(監督:ギャビン・リン(林孝謙)、台湾)
韓国映画の台湾リメイク作品。本当はお互い誰よりも相手を想っているけれど、ある事情により恋人同士になったり結婚したりすることができない二人。真実を隠して相手のための演技を続けた果てに、最後は…。今回、『みじめな人』とかもそうなんですが、私は映画の中で「もし、こうだったら」という仮定の(最高に理想化された)シーンが挿入された後に現実が映し出されるという演出に弱いので、観ながら結構泣いてました。とくにウェディングドレスの「試着」って、前撮りや挙式よりも先に、一番最初に結婚を意識する段階かなと思うので、演出うまいなあと思うと同時にまんまと泣かされました。

『G殺』、リー・チョクパン監督と俳優のアラン・ロク『G殺』、リー・チョクパン監督と俳優のアラン・ロク

『G殺』
(監督:リー・チョクバン(李卓斌)、香港)
これは今回大阪アジアン映画祭で観た映画の中では一番好きかもです。猟奇的なような、それでいてセンチメンタルだったり繊細さだったりが同居するような不思議な作品でした。最初は関係のないエピソードが次々に出てくるように思えますが、それが徐々に繋がっていって、家族関係やクラスメイトとの関係性が分かってくる構造も面白いですし、最後のシーンであの二人は一体どこへ消えたのか、悲劇的にも受け取れるし、ファンタジックにも受け取れるような、面白い作品でした。香港、次々に面白い作品が出てきますね。

『視床下部すべてで、好き』、ドウェイン・バルタザール監督『視床下部すべてで、好き』、ドウェイン・バルタザール監督

『視床下部すべてで、好き』
(監督:ドウェイン・バルタザール、フィリピン)
アイリーンという一人の女性を中心に、彼女に夢中になる男たち4人を描いた映画ですが、面白いのはアイリーンそのものはどんな女性なのか具体的には描かれず、ただ理想的な女性というだけ。むしろ映画の核になるのは彼女のことを四六時中考えている男性たちです。映画の後半、それぞれの男性の前で、彼らがもっとも言って欲しそうなことを言い、して欲しそうなことをしてくれるアイリーン。よく見ると、同じ服を着ているように見えて、実は4人の男性それぞれの前で少しずつコスチュームも違っています。アイリーンを一人の実在する女性だと考えると全然辻褄が合わなくなっていくこの展開、果たして彼らはアイリーンを口説くことに成功したからこうしているのか、それとも各自の単なる甘い妄想なのか…。
映画のタイトルで「視床下部」なんて器官名を使うことなかなかないと思うのですが、それも含めて面白いアイデアだと思いました。

『ハイ・フォン』、レ・ヴァン・キエ監督『ハイ・フォン』、レ・ヴァン・キエ監督

『ハイ・フォン』
(監督:レ・ヴァン・キエ、ベトナム)
主演のゴー・タイン・バンは英語名ベロニカ・グゥで、なんと『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』でペイジ・ティコ(ケリー・マリー・トラン演じるローズの姉)の役をやっていた女優さんとのこと。『最後のジェダイ』、劇場で9回も観たのに、うちの旦那さんに言われるまでそのことに気づかなかったのでした。人の顔覚えられなさすぎです。
そんな彼女がとにかく型破りに強い母親を演じています。精神的に強いだけではなく武闘派としてもう意味が分からないくらい強い。誘拐された娘を取り戻すというストーリーで、展開はベタと言えばベタなのですが、とにかくパワフルで謎の勢いのある作品でした。ハリウッドのアクション映画とは一味違う味わいです。

『オレンジ・ドレスを着た女』
(監督:ジェイ・アベリョ、フィリピン)
私の大阪アジアン映画祭、ラスト一本はラブコメ。人気スターと普通の女の子のラブストーリーで、まるで少女漫画のような世界観でした。高級ホテルで繰り広げられる美男美女の恋…ラストももちろんハッピーエンドで、国を越えて普遍的に楽しめるテーマだと思いますが、時々路上で集まってテレビを見る市井の人々が出てきたり、スターに対する追っかけの姿勢などから、フィリピンらしい社会性を感じられる面もある映画です。

出町座のソコ1出町座のソコ2 出町座のソコ、

映画おみくじ1映画おみくじ2映画おみくじ

☆番外編・出町座のソコで映画おみくじを引く
去年も大阪アジアン映画祭のあとに行った出町座、今年も再訪しました。今回は映画は観ていませんが、その代わり去年は立ち寄らなかった出町座のソコ(併設のカフェ)でお茶しました。そして気になっていた映画おみくじに挑戦!結果は…『キャット・バルー』。知らない作品です!(爆)しかし、知らない作品に巡り合えるのがこのおみくじの醍醐味かもしれません。ほのぼのウェスタンと書いてあります。楽しそうな映画のようなので、今度ぜひ観てみたいと思います。
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