三条・東映ムービル

三条・東映ムービル破産へ
大衆演劇場など経営 負債2千万円超
新潟県三条市本町1の中心商店街で大衆演劇場などを経営していた「東映ムービル」(中川慎太郎社長)が事業を停止し、地裁三条支部への自己破産申請の準備をしていることが3日までに、明らかになった。代理人弁護士らによると、負債額は2千万円台の見通し。
大正時代の創業。昭和の時代は、映画館「三条東映」として大勢の観客でにぎわい、商店街の中心施設だった。郊外化や複合映画館(シネマコンプレックス)の台頭などに伴い、2000年ごろには閉館状態となった。
02年に大衆演劇場「三条東映」として再出発した。大衆演劇の公演のほか、地元のイベントやライブ会場などとしても使われた。ビルの1階ではカラオケルームも営業していた。しかし高齢化による観客減少のほか、築45年以上がたち、老朽化著しいビルの維持管理費の増加などから経営は厳しく、5月30日付で事業を停止した。従業員数は5人。
【経済】 2019/06/04 11:53
https://www.niigata-nippo.co.jp/news/economics/20190604473799.html
おとといの新潟日報の紙面に↑こちらの記事が掲載され感慨深いものがありました。
記事にあるように大衆演劇の芝居小屋となった晩年ですが、
最盛期は映画館が確か5つも入ってたまさに三条市民にとっての映画の殿堂でした。
担当者もここで『ジョーズ』や『スターウォーズ』を経てジャッキー・チェンとたくさんお世話になった劇場とともに、
映画好きとなってからここで公開されない映画があると気づいて長岡や新潟の映画館に足を運ぶことになったと思えば、
まさに映画についてのイロハを教えてもらった劇場でありました。
この報に接してまずたくさんある思い出の中からなぜか浮かんだのがここでジェイムズ・キャメロン監督の名を覚えたこと。
というのも『ターミネーター』をここで観てあまりの面白さにかなり興奮して、
一目で低予算のB級ながらもアイデアと実行する演出力で映画はここまで面白くなるのかとジェイムズ・キャメロンの名前が刻まれて次回作を心待ちにしていたら続く『エイリアン2』がやはりトンでもなく面白かったこと。
映画作家が大きく飛躍していく姿を目の当たりにしたことを喜び、
次の『アビス』は正直キツかったとはいえ『ターミネーター2』もここで観て、
記憶にあるこの劇場で最後の満員盛況の映画だったように思いますが、
ジェイムズ・キャメロン、とんでもなく大きくなったなぁ、あのとき『ターミネーター』を観て興奮したのはマチガイではなかったと。
ついでにこの劇場のオーナーは市民映画館をつくる会が一向に映画館をつくらないので、
長岡に進出、その名も「長岡マリオン」でしたが覚えている人は長岡でも少なくなったような印象が。
結局「長岡マリオン」も行き詰まって市民映画館をつくる会の当時の副会長に譲って、
「シネマチャオ」となったと思うと長岡にも影響を及ぼした興行師だったと。
映画がダメなら芝居小屋と興行師の血が騒ぐんだろうと思いました。
だからインタビュー取材をすれば三条の興業として貴重な記録になるんじゃないかと思います。
故・ジャイアント馬場さんはテレビ番組で故郷の三条を訪れた際、
東映ムービルに触れて少年時代はよく東映のチャンバラ映画を観に行ってたと話していたのを記憶してます。
世界を股にかけた東洋の巨人の思い出のひとつでもあるこの劇場が、
破産によってどうなるのかわかりませんが確実に三条のあるときの時代が終わったんだと実感。
今回写真を撮りに久しぶりに行ったら隣の酒屋さんまで破産していたと知って、
かろうじてにぎわいを知ってただけに余計に終焉を感じ取りました。
しかし奥ゆかしい馬場さんのことだから映画はやはり後ろの席で観てたんだろうと。
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