ニュース打破

三上智恵(映画監督/ジャーナリスト『標的の村』『沖縄スパイ戦史』)
〈『共犯者たち』へ〉 主犯は政権のトップ、共犯者は権力に擦り寄った放送局員。どの国のテレビ局もこの罠にはまりかねない。しかし局を叩き出された人間が、メディアは民主主義の砦と信じて闘い挑む姿に、元放送マンの血が騒ぎ、涙が溢れてくるのを止められなかった
http://www.kyohanspy.com/
『共犯者たち』マスコミ試写で観賞したケーブルテレビの方は「ニュース打破」に強い関心を抱いたようでした。
政権の介入によって報道番組のかなめである調査報道チームが根こそぎターゲットにされ、
解雇されたチェ・スンホ監督はじめ骨のあるジャーナリスト達が集まって作り上げた独立メディアの「ニュース打破」
再び調査報道が継続され既存のメディアが取り上げないような政治的、社会的なネタで作り上げた番組はYOUTUBEにアップされ誰もが視聴できる形となり、
李明博、朴槿恵の保守政権が介入してる既存のメディアが信用できないと韓国市民はタパを「かじりつくように」観ていたそう。
https://globe.asahi.com/article/12033307
運営費は支援する会員4万人のカンパによって支えられてるというのもこの報道メディアへの熱い期待を伺えますが、一口に4万人というのは率直に日本では考えられない数字。ここで唐突に昨年公開された韓国映画『タクシー運転手』『1987年 ある真実の闘い』の中で軍事政権下、民主化を求める国民に対して銃を向け放つ権力者相手に文字通り血みどろとなって得た勝利で手にした民主化に対する考えが日本とだいぶ違うんだろうと想像できます。
翻って我が国の某国営放送のニュース番組を目にしていると、もうとっくの昔に政権のコントロール下にあるのか、それとも忖度なのか国民たちへ政権の不都合なニュースは消え去った印象を持ちます。
『共犯者たち』のなかでチェ・スンホ監督自らカメラの前に立って、
“ニュース打破”の仕事としてレコーダーを手にし自分をテレビ局から追い出したテレビ局の幹部たちから、
その元凶となった元大統領までを直接アポなしで問い詰めていく姿を目にして、
日本のどこでもいいから、この記者のように権力者とお仲間でなく、
目ざわりだと思わせるほどジャーナリストの仕事を全うできる記者が出てきて増えていってほしいと切に思います。
チェ・スンホ監督は日本でも大きく報道された「世界で初めてES細胞のクローンに成功した」というノーベル賞級の世紀の大見を捏造だったとスクープした番組のプロデューサー。
いわばガチンコのジャーナリストである意味、テレビ局はクビにしたのは失敗だったと悔やむことになるのは「ニュース打破」を設立し、報道の自由を巡ってクビにしたテレビ局、そして政権に向けて一層刃を研ぎ澄ますことになったこと。
映画は苦い余韻で幕を閉じるものの、その後の現実は映画が公開され反響は無視できないと踏んだのかテレビ局はチェ・スンホ監督を社長として迎え入れ大逆転となったものの、まず信頼の回復に努めているそうですが、また新たな戦いの中へ身を投じてるんだろと思っています。
崔承浩(チェ・スンホ)「声を上げる」話題の映画『共犯者たち』監督に聞く
https://imidas.jp/sensoutoheiwa/?article_id=l-73-028-18-07-g742
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*『共犯者たち』長岡上映会日時 6月28日(金)①15時~ ②19時~
19時の回 上映後 新潟国際情報大学国際学部 吉澤文寿教授講演
「映画で観る韓国民主化の系譜 たたかうジャーナリズムを考えるために」
会場 アオーレ長岡市民交流ホールA
主催 長岡アジア映画祭実行委員会!
電話 09045204222 e-mail nagaokatsukurukai@gmai.com
HP http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/
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