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長岡アジア映画祭実行委員会!ブログ

新潟県長岡市で活動します長岡アジア映画祭実行委員会!です。

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「阿賀に生きる」という映画に登場する人物たちは、

NPO法人ごはん科学研究所の服部眞幸先生とお知り合いになったのは
「阿賀に生きる」三条上映会のミーティングの席でした。
お話を聞いてると佐藤真監督とは「阿賀に生きる」撮影前から知っていたそうで関心を抱き、
三条上映会前にこのブログへ佐藤監督と「阿賀に生きる」のみどころについて
寄稿願えないか依頼したところ快諾をいただき掲載いたします。
ありがとうございます。

「阿賀に生きる」は12月22日(日)三条市総合福祉センター 多目的ホールにて
撮影をした小林茂監督の講演とともに上映されます。
入場料は無料なのでこの機会にぜひとも。

http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/blog-entry-210.html

主催・お問い合わせ先 未来を考える会・三条
電話 0256-33-7793(事務局)
HP http://ameblo.jp/gareki3/

「阿賀に生きる」公式HP http://kasamafilm.com/aga/



 「阿賀に生きる」という映画に登場する人物達は、ユーモラスな部分と真摯な部分の両方を持ち合わせ、阿賀野川流域で生きる人生の達人である。その全員が新潟水俣病の未認定患者だっただけであるが。ある寒い日に、この映画の仕掛け人でもある旗野さんが、船大工の遠藤さんの処へ行き、仕事場のサッシのガラスが割れていることに気付き、
旗野:「俺も一応大工だから直してやろうか?」
遠藤:「余計なことはするな、暖かくなるとここに朝顔が伸びてきて挨拶しにくるんだ」
実際に暖かくなりその割れ目に朝顔が花を咲かせているのを観て、旗野さんは遠藤さんのこの風流というか自然を愛でることが当たり前の日常であるという生き方に感動したそうです。この映画の魅力は、何度見ても新しい発見がある。それは観る側の変化(成長)に応じることが可能な程、奥が深いというところにあると思う。
 その一方で、阿賀野川流域に生きているだけでは、映画という記録には残らない。新潟水俣病患者であったが故に映画として記録されたという事実もある。この映画が出来て、数年で登場人物達はこの世を去っている。ドキュメンタリー映画とは死者の記録であり残酷なことなどではないかと東京近代美術館フィルムセンターに勤める友人は言う。私はまたどうなのか判断する程、深く考えが至らない。
 さて佐藤真監督と最初に会ったのは、東大駒場の最首悟先生の研究室だった。佐藤さんが創設メンバーでもある水俣病の勉強会というか水俣病や水俣に心を寄せる人たちが集まる「不知火グループ」の例会だった。1987年のことで、「無辜なる海」の助監督を終え、「阿賀に生きる」の撮影前で、自分ではプータローだと言っていた。この「不知火グループ」のメンバーは渋谷で好く酒を呑み、周囲からは「夜明かしグループ」とか「知らないグループ」と揶揄されていた。当時、この映画好きの兄貴分に教えられてよく「この映画を観にいったら」と色々な映画を観にいかされた。私には今でも優しい兄貴分であり、完成前ラッシュの時、東京のシネヴィバン六本木での東京上映の時、完成10周年で、映画のスタッフと安田患者の会の咲花温泉での1泊宴会などに顔を出すと何時も佐藤さんは「服部君も来てくれたんだ」と言ってくれる。不知火グループのメンバーは皆、佐藤さんは出世頭だよネと思っていた。若い時期には仲間が自死の道を選び、失うことがある。さすがに40代、50代になれば大丈夫であろうと思っていた矢先に逝ってしまった。そのことは今でも悔しい。「阿賀の記憶」を観た時に、佐藤さんはもう「加藤さんや遠藤さんがいるあちら側の世界に行こうとしているのではないか」と直感的に感じた。
 5月に行われる追悼集会「阿賀の岸辺にて」には、全国からこの映画のファンが集います。毎年、奥さんの丹路さんが来てくれます。今年は娘さんが大学の友達を連れてきてくれました。この会の主催者である旗野さんを中心に「冥土のみやげ全国連合」(通称:冥土連)を立ち上げました。ここで主体的に動いてくれる若者達がいる。サラリーマンだったりJA職員だったりする。彼らは、今年の「水と土の芸術祭」で一月に屋外で上映された「阿賀に生きる」を観て旗野さんに連絡してきたのだ。お陰で、旗野さんと私で絡めとることが出来た。現在、この若者たちを中心に結成された冥土連ハタノ中毒事件研究会製作の「ハタノ中毒事件」予告編というのが完成した。先日から京都で行われている「佐藤真監督特集2013」では、「阿賀に生きる」上映後、撮影した小林茂さん、旗野さんのトークの合間に「ハタノ中毒事件」予告編が上映され、会場を笑いの渦に巻き込んだ様である。
 21年前に完成した「阿賀に生きる」という映画がある。その映画は、今でも観る若者の人生観を変えてしまう程の力を持っている。その意味において兄貴分の真さんの企みは成功したのだと思う。
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