The House of Rising Sun

「これからもっとヒドイことがおきる」
おきるハズのない原発事故が福島に続いて起きてしまった静岡県の某市。
避難所で脱原発運動に身を投じてた青年は、
思いを寄せる女性にひとしきり、
電力会社が莫大な広告料でいかにマスコミを操り、
原発が安全かと洗脳してたことを語った後に口にする。
これからおきるヒドイこととは。
太田隆文監督を長岡を案内した際、必ず観にいきますと言ったからには
観に行かねばとシネ・ウインドで公開中の「朝日のあたる家」を観賞しました。
福島に続いて爆発的事象を起こした架空の山岡原発。
60キロ以上離れたある田舎町の家族は当初他人事のようにしていたのが、
避難指示に従い一晩で戻るハズがもう、戻ることもできずそのまま仮設住宅へ。
福島の事故前でなく事故後ならば、もっと慎重に
政府も電力会社もまず保身と隠蔽を優先してたことを目の当たりにしたので
特にたいした事故でないと括ろうとしてた父親に
歯がゆい思いがしましたが、
もっともそれは監督の計算というのが観ていくうちに理解できました。
後半、いまや国会議員となったあの脱原発俳優と対峙し諭られ、
家へ古里へ、何より家族のためにやりきれない涙を流す父親の姿には心打たれました。
とても力のある映画で確かに感動を覚えました。
太田監督はこれまでの作品も含めて「古里映画」と呼んでましたが、
この作品はどう考えても理不尽な目に遭って故郷を離れざるおえなくなった家族に
ラストシーンの叫び声に家族の故郷への強い思いに観る者の胸が締め付けられるのではと。
映画では停止中でも震度5強の地震で原発事故を起こしたという設定ですが、
これをそのまま柏崎原発にあてはめてしまうと、
決して他人事ではない映画だと思いました。
私事ですが担当者はこの春、新潟での仕事で
福島から家族で避難し、こちらで就職しようと懸命に働いてるお父さんと
一緒になったことがあります。
その方はとても前向きで明るく決して弱音など吐く人ではありませんでしたが、
映画を観ながらこのお父さんを思い出し、
故郷を離れざるおえなくなった心中を映画のお父さんに重ねて観ていました。
あと太田監督はブルース・スプリングスティーンの大ファンと聞きましたが、
劇中ではヒロインがボスの大ファンという設定、
さらに登場するワンちゃんに”ブルース”と名づけたりしてたことで
観てて頭をよぎったのはボスの「ルーレット」という曲でした。
スリーマイル島で原発事故が起き、
わけもわからず家族とともに車で逃げ、
誰も信じられず、すべてを捨ててしまうハメになった男の歌でしたが、
太田監督は当然この男の憤懣を映画に重ねてるのだろうと。
http://www.youtube.com/watch?v=aESH2f6qi_g
「何もかも失った俺にあんたは何をしてくれるんだ?」
http://blogs.yahoo.co.jp/tokunaga7648/17166194.html
「朝日のあたる家」は12月27日までシネ・ウインドで公開されてます。
「朝日のあたる家」公式HP http://www.asahinoataruie.jp/
追記
太田監督は12月20日にヒューマントラストシネマ渋谷での「ゆめのかよいじ」トークにゲスト出演します。
【場所・日時】
12月20日(金)21:30の回(上映後)
【トークゲスト(予定)】
桜沢鈴さん(漫画家「義母と娘のブルース」)
太田隆文さん(映画「朝日のあたる家」監督・脚本家)
http://www.ttcg.jp/human_shibuya/topics/detail/26293
↑詳細はこちらを。
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