検証 福島原発事故 官邸の100時間

「東電テレビ会議」の監修として朝日新聞の木村秀昭記者の名前があります。
大きな反響となってる朝日新聞の連載「プロメテウスの罠」を執筆してる他、
著作として発表したのが「検証 福島原発事故 官邸の100時間」
311後、福島原発の応対を官邸の側に精力的に取材した1冊。
電源喪失、ベント、電源車、爆発、海水注入、最悪のシナリオ、放棄・撤退、SPEEDI、、、
保安院の幹部、東電の首脳、原子力安全委員会の委員長などが事態の把握さえろくにできず、情報がまったく届かない中で、タダでさえカッカしてると評判の菅首相が何度かブチキレながらも未曾有湯の大事故に対して辛うじて対処している姿が浮かび上がってます。
間近にいた側近の人が「菅に冷却水」というのは笑っていいのか複雑でしたが。
また事故調査委員会報告書でも山場のひとつとなった「東電撤退」があったのか否かについて取材を重ねた結果
「この問題は全員撤退問題ではない。原発放棄事件だ」として持論を述べ、
「この原発放棄事件はこれからの原発の稼動を東電が任う資格があるかどうかを問う、極めて重要な論点だ。」
として原発再稼動へと舵を切り、311に向けて三年目である現在に問いかけているようです。
そしてそれ以上に最後に記された当時の東電社長が述べたという言葉にもはや資格がないように思いました。
エピローグの中で当時の報道を『大本営発表』と批判されたことを著者は認識している上で
著者も所属する「大手マスコミ」の側から
「怒りを長く世に伝え、遺すためには、冷徹な文章でなければならない」
として冷徹でありながらも怒りが滲み出てきてる一冊でした。
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