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長岡アジア映画祭実行委員会!ブログ

新潟県長岡市で活動します長岡アジア映画祭実行委員会!です。

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『第15回大阪アジアン映画祭』其の二 映画祭巡礼記

*昨日に引き続きS東京特派員夫妻の『第15回大阪アジアン映画祭』レポート。
とはいえ今回は奥様中心になってるとおもいます。
あと今更ですがポスターも随分と個性的なものが並んでると思いました。

『大阪アジアン映画祭』公式HP http://www.oaff.jp/2020/ja/index.html

『花椒の味』ポスター『花椒の味』ポスター

『花椒の味』
(ヘイワード・マック(麥曦茵)監督)
父親の死をきっかけに、香港、台湾、大陸で暮らす三人姉妹が初めて顔を合わせる。
三人それぞれ、元婚約者や母親、祖母との関係に悩みを抱えているが、父親の残した火鍋店を三人で切り盛りしていくうちに次第に家族とのわだかまりが解消に向かい…。
これも『私のプリンス・エドワード』のように、複数の中華圏にまたがる話で、各地の様子や文化の違いを感じられる作品だと思います。
台湾で暮らす次女は元の名前「如枝」を「如知」に変えた理由を「枝は台湾ではダサいから」と言っていますが、そうなんでしょうか。ところでメーガン・ライ(頼雅妍)演じるこの次女がビリヤード選手という設定で、キリッとしていてかっこいいです。
作中で女性ファンにもてるようなシーンが出てきますが、ネットで調べると他にも台湾ドラマで男装役を演じているようなので、きっとそういうのが似合う女優さんなんですね。

『フォーの味』ポスター『フォーの味』ポスター

『フォーの味』
(ボブリックまりこ監督)
こちらも父親の料理の味と娘の葛藤の話、ただし『花椒の味』と違ってこちらはお母さんが亡くなっており、父と幼い娘の二人暮らし。
料理人であるベトナム人の父と、ポーランド人らしくしたい娘のすれ違いがポップな音楽と共に描かれます。娘に故郷の味を作り続ける父と、そこから離れたい幼い娘の心のすれ違いが、児童文学のようなタッチで展開していきます。
親と子、アジアとヨーロッパの違いを受け入れていくための試行錯誤の過程は、難しいけど、ほっこりした気持ちにもさせてくれます。

『チャンシルは福も多いね』ポスター『チャンシルは福も多いね』ポスター

『チャンシルは福も多いね』
(キム・チョヒ監督)
これは個人的に今回一番面白かったです。
仕事もなくなるし、焦って恋愛をしようと思っても空回りしてうまくいかない女性が主人公。
なんとなく世界中どこでも見かける状況のような気がしますが、悲壮感なくコミカルに話は進んでいきます。
なぜか唐突に現れる、昔好きだった香港俳優の幽霊や、片思い相手と全然映画の話が噛み合わなかったり親からくる手紙に余計な一文が付け足されていたりに笑わされっぱなしでした。
会場でも随所で笑いが起きていましたし、ぜひ日本でも公開してほしいです。

『サンシャインファミリー』ポスター『サンシャインファミリー』ポスター

『サンシャインファミリー』
(キム・テシク監督)
夫が起こしたひき逃げの隠蔽を始めることで、家族の絆と信頼を回復していくコメディ。
危機に際して一致団結する家族や、隠蔽の手伝いを始めたことで昔培った技術を生かせる場を得ていきいきしてくる隣家のおじいさんを見ていると、うーん、人間、活躍の場を得ることって大事なんだなあ…と、ついつい、「あれっこの人たち犯罪の隠蔽してるのではないか」という事実を忘れそうになりますが、そこはコメディなので二転三転するうちに意外な展開が…。
空回りするお隣の奥さんの存在も面白いです。

『春潮』ポスター『春潮』ポスター

『春潮』
(ヤン・リーナー(楊荔鈉)監督)
この映画のポスターに書かれているコピー、「母親との関係は、世界との関係を決定付ける(“你和母亲的关系,决定你和世界的关系”)」がとても優れていると思います。
日本でも最近は「毒親」のような言葉がありますが、家族関係は本当に一筋縄ではいかない問題だと思います。
母親の紀明嵐は一見毒親のようにも描かれていますが過去に苦労した経験もあり、彼女が語る亡き夫から受けた苦しみは同情できるし、彼女の今の恋人もいい人そうに見えてもやっぱり男の人だな…と思う言動もあったり…、しかし、かと思うと終盤の娘のセリフで、いや、紀明嵐の夫だって、娘から見れば立派に父親としての役割をきちんと果たしていたのではないかと思えたり、観る人の立場によって直接には描かれていないいろいろな背景が見えてくるのではないでしょうか。
娘が、母親からの影響を自分で断ち切り、自分の子供には伝わらないようにしようとする様子は映画『ホライズンブルー』にも似たテーマだと感じました。

ご参考:都市投影劇画 ホライズンブルー
https://kiryukan.hariko.com/arasuji.htm

『少年の君』ポスター『少年の君』ポスター

『少年の君』
(デレク・ツァン(曾國祥)監督)
同じデレク・ツァン監督の『七月と安生』でドロップアウトする少女を演じた周冬雨が、今回は北京大学合格も確実なほどの秀才少女を演じています。
高校三年生の役を演じる周冬雨の年齢不詳ぶりや、アイドルでありながら不良役として力強い演技を見せた易烊千璽もすごいですが、表面上はお金持ちの才媛、でも裏の顔はいじめの首謀者…というクセのある役を演じた周也の凄みも結構怖いです。
ちなみに『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』の黄覚もちょっと出てます。
映画の終わりに中国政府のいじめに対する取り組みがテロップで紹介されますが、ネットで検索した限りではこの映画は小説をもとにしたフィクションであり、実際のいじめ事件をもとにしたものではなさそうです。

【おわりに】
大阪アジアン映画祭はどれも見逃したくない作品ばかりのラインナップなんですがここで見ないとそれっきりという作品が多くて残念。
『なまず』(2019)『中英街一号』(2018)『一念無明』(2017)『豚のような女』(2016)『コードネームは孫中山』(2015)など近年のグランプリ作品を見てもその後日本でふつうに見れるのは『一念無明』(『誰がための日々』ぐらい。
今年は女性監督の映画を積極的に取り上げていました。
もっと注目されるべき映画祭だと思います。
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