生のサイン アピチャッポン・ウィーラセタクンからの手紙/ The Cinema of Now

タイのアヴァンギャルドな映像作家・アピチャッポン・ウィーラセタクン。
長岡アジア映画祭ではこれまで『真昼の不思議な物体』『トロピカル・マラディ』『アイアン・プッシーの大冒険』『ブリスフリー・ユアーズ』、そしてカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した『ブンミおじさんの森』と上映しました。
話は2003年になるのか、担当者がモーニング娘。の長野コンサートに遠征後、新潟に帰らずに金沢へと赴きました。
21世紀美術館でアピチャッポン監督のワークショップがあると知り、
『第8回長岡アジア映画祭』で『真昼の不思議な物体』を上映するのでビデオレターを撮影させていただけないかと美術館側に無理なお願いをしてアポを取ることができました。
そもそも当時ほとんど知られてないアピチャッポン監督を招聘した21世紀美術館に今思えば感服しますが、
お会いした若きアピチャッポン監督の第一印象は敬虔な仏教徒という趣きで、
終始にこやかで『真昼の不思議な物体』が掲載されてるチラシをお渡したら大変喜んでくださいました。
しかし撮影となるとがぜん早口で鋭い口調の英語となって、この人はキレ者だと感じた次第です。
その後、アピチャッポン監督作は世界中の大きな映画祭に出品されて評判を呼び、
どんどんステイタスが上がっていき、
無視できない存在となって長岡で作品を上映し続け、
お会いした時に名刺をいただきメルアドがあったのでダメ元で上映の度にお客様にメッセージをお願いできないか頼むと、
忙しいであろうに毎回送っていただき、とても律儀な監督だと感心し今も感謝しています。
中でも『トロピカル・マラディ』上映のメッセージには中越大地震に続く中越沖地震後の映画祭上映なので、
スマトラ沖地震の被災地となった国の映画作家という立場から励ましのメッセージを込めていただき、大変嬉しかったです。
そしてついに『ブンミおじさんの森』のカンヌ国際映画祭パルムドール受賞で世界の頂点に立ち、
授賞式での白のタキシード姿を見て本当に喜びながら思い浮かんだのは、
金沢で手土産にタイの人だから辛いのが好きだろうと柿の種をお渡ししたので食べてくれただろうかと。
担当者が好きなアピチャッポン監督の映画は『トロピカル・マラディ』
前半は兵士二人のダラダラした日常が後半になると深い森の中で男は虎になる、
というまるで予測つかないスリリングな映画でありました。
そのアピチャッポン監督が中国のジャ・ジャングー監督への返答という形で、
世界を侵食するコロナ時代の人々への手紙を見つけたので、ご紹介します。
コロナの時代に④ アピチャッポン・ウィーラセタクンからの手紙
https://note.com/moviola/n/n6fd49dcfde14
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