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長岡アジア映画祭実行委員会!ブログ

新潟県長岡市で活動します長岡アジア映画祭実行委員会!です。

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『おかあさんの被爆ピアノ』をT・ジョイ長岡で観る。



「五藤監督のこれまでの中で一番良かったです」

『おかあさんの被爆ピアノ』T・ジョイ長岡での公開二日目の8月8日21時過ぎという夜の回、
せっかくなのでこれまでの上映会で五藤利弘監督とも話したり、お会いした面々を誘っておじさん3人、女性1人というグループ観賞。

観終えてロビーに集まり、冒頭の女性の感想からはじまって皆さんであ~だこ~だと盛り上がりましたが、
とてもいい映画だったという感想は一致。
特にこの女性は結構辛口だったりするので、それが良かったと話してホッとした思いも。

そしてもうひとつがクライマックス、あんまり書くとネタばれになるのですが、
流れから誰もが期待するハッピーエンドを想像していたら、
思いがけない展開になってこれがかえって大きな感動になってしまったという、
よくある映画のセオリーからあえて逸脱した挑戦に、五藤監督自身の大きな成長をも思ったりしました。
そしてなるほどだから『おかあさんの被爆ピアノ』というタイトルなのか、と一同感心しておりました。
誰もが途中までこれは『おばあちゃんの被爆ピアノ』では?と。

ところで主人公の調律師・矢川光則さんを被爆ピアノコンサートで間近で目にしたことがあるので、
まず映画で驚いたことに演じた佐野史郎さんの歩き方や滲み出る雰囲気が矢川さんそっくりだと感じたことでした。
「被爆ピアノに向き合う姿勢だけは矢川さんと同じでなければならない」とインタビューで語ってますが小柄な矢川さんより、
ずっと佐野さんは大柄で外面は少しも似ていないのに細かに観察をして作り上げたのか、
外面と内面を矢川さんと合わせて演じたこと、そこに凄みを感じて要所要所を的確に締めてる姿にサスガは名優、
これは大杉漣さんも任せて良かったと喜んでいるハズだと。

そして個人的に関心があった武藤十夢さんはまずスレンダーすぎるでしょう、ということはサテオキ、
被爆ピアノを通しての自身のルーツ探しということで彼女の歩みと映画の進行が重なるという重大な役を気負わずに、
周囲のベテラン陣に身を任せながら着実に歩んでいく姿は“アイドル”という型からこちらも逸脱して印象に残り、
武藤さんがピアノを弾くシーンに注目をしていましたが、
それが映画のメインテーマとなったことに余計にスクリーンに釘付けとなりました。

個人的に映画の武藤さん萌えポイントはご実家で寝そべってる姿でありましたが、
そこへ隣室で若き日のおばあちゃんの幻影がピアノを弾く姿が現れるのが強烈に印象に残りました。
幻影というよりあれは幽霊に見えましたが、幽霊とピアノというと否応なしに大林映画を連想、
さらに自身の被爆体験を怒りと悔恨とともに語る被爆ピアノ寄贈者を演じたのは多くの大林映画の脚本を手掛けた内藤忠司氏、
しかもこの役は当初は大林監督自身が演じる予定だったそうで、
映画で平和の尊さを伝える使命を大林監督からここで受け継いだように思いました。

この幽霊というかベートーヴェンの「悲愴」に一目惚れし、
努力を重ねてピアノを得て独学で練習したおばあちゃんの若き日を演じたのが主題歌も歌ってる南壽あさ子さん。
恥ずかしながら初めて知りましたが、たぶんこれから出てくるんだろうと。
五藤映画の主題歌にハズレ無しがまた更新されたかと。

ちなみに今回、被爆ピアノの演奏曲の中で「ゴンドラの唄」が歌われたことに初めて栃尾でロケした短編『想い出はモノクローム』をまず想起し、根っこは変わらずにいることに嬉しく聴いてましたが、なぜ「荒城の月」なのか?
と正直に思いあれは「ゴンドラの唄」のような何か特別な思いがあるんだろかと。

そして誰もが特筆に思うだろうお母さん役の森口瑤子さん!
被爆ピアノと広島という複雑な思いと母と娘を思う気持ちが交差しながら、ご主人とともに娘の成長を見守り、
そして手を携え後押しする姿は大変素晴らしかったです。
思えば二時間ドラマ専属女優というイメージを破壊するほど強烈だったのが映画『Unloved』のヒロイン。
あれから俄然、スクリーン映えする映画女優と化したと思うのですが、
本作は森口瑤子さんにとっても代表作といえる作品になったハズです。
今もあの娘さんの成長に寄り添う喜びの笑顔は忘れることが出来ずにおります。

広島への原爆投下をテーマに、次世代に平和の種まきをする矢川さんの活動に賛同して生まれた映画は第五福竜丸からはじまって広島へ、広島では多くのシーンに原爆ドームが背景として登場し、否応なし姿勢を正しながら観賞して浮上するのは懐刀で原爆から命拾いした父親の遺志を継ぐ矢川さん、そして被爆ピアノを巡って三世代の女性が描かれ、いづれも家族愛の尊さが。
そこから感じたのは大杉漣さんと入野自由くんの父と子、大桃美代子さんと寺島咲さんの母と娘が互いを思いあってた『モノクロームの少女』の親子の姿でもありました。
『モノクロームの少女』から10年経ち、あれからさらに大きな飛躍を遂げながらも核心に栃尾の出発点があることに気づいて五藤監督を応援してきて良かったと思った次第です。

こんな素晴らしい映画を8月に公開いただいたT・ジョイ長岡に深い感謝の念を抱きながらも、
関係者の方は読んでるかもしれませんが、あえて苦言というか耳の痛いかもしれないことを。

公開二日目なのにどこにも『おかあさんの被爆ピアノ』のポスターが貼ってなかったのはまず残念でした。
SNSをエゴサすると各地の劇場で本作を観賞し、感想を書いてる方は一緒にポスターや垂れ幕などをアップしており、こちらも観賞者でポスターの前で記念撮影してあげようかと思ったら、
この記事の画像のあまり映えない場所にチラシしか貼ってなく意気消沈しておりました。

ついでに↓こちらにある通り
http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/blog-entry-2723.html
東京の各地のミニシアターは公開作品が紹介された雑誌の切り抜きを貼って映画観賞後のお客さんが読んでさらに映画に関心を持つようどこも仕掛けていますが、以前に掲示されてたパネル展とともにやってほしかったという思いも。
ただ媒体を集めて切り抜いて貼ったりするのは、こちらの上映会もやりたいと思いながらもなかなか出来ずにいるので結構手間なのはわかるのですが、いわゆるミニシアター系の作品だけでも他館と差別化を図る意味でもやってもいいのではと。

あとやはり五藤監督の故郷の劇場だけに舞台挨拶の凱旋上映をしてほしかった思いが。
コロナ禍の最中で難しいのはよく理解できますが、
劇場は換気に気を使っていることをアピールすることも、お客さんの安心に繋がると思うんですが。
こちらも紹介にまわってて、やはり五藤監督の舞台挨拶はないのか?
と聞かれたことが多々あったことをここに報告いたします。

ただしパンフレット(読み応えあり)を購入したら300円なのはサービスだったのだろうか?と。
おじさん3人でそれぞれ300円で購入したパンフを手にして、本当にいいのだろうかとソワソワしておりました。
サービスでしたらこれは嬉しかったです。

昨日の新潟日報のコラム座標軸は本作を推薦、
また本日の新潟日報には五藤監督のインタビューが掲載されているので、
ぜひ切り抜いてロビーに貼ってお客さんの関心を得るようにしてほしいと、
戦後75年に相応しい新作はまず『おかあさんの被爆ピアノ』だろうと断言でき、
それを監督したのが長岡出身でもあるということで。

『おかあさんの被爆ピアノ』

T・ジョイ長岡、シネ・ウインドで公開中 
8月15日(土)~ 高田世界館にて公開

公式HP http://hibakupiano.com/
予告編 https://www.youtube.com/watch?v=9OeywtIcpfU&feature=youtu.be&fbclid=IwAR17mXDqW9zhU0xWjPDVk9WgYfsrCnpsR
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