TOKYO DRIFTER

「流れ者には女はいらねぇんだ」
「女と一緒じゃ歩けねぇんだ」
渡哲也さんの訃報を聞いて、真っ先に思い浮かんだのは日活映画『東京流れ者』のラストシーンの名セリフ。
敵陣に殴り込みをかけて苦い勝利を手にした後、追いすがる恋人・松原智恵子に言い放った二連発。
こんなキザな男、そうそういないよと思う反面、
鈴木精順監督特有の悪ノリな展開と、さらに輪をかけた木村威夫美術監督のアバンギャルドなセットの中で繰り広げられるので、
笑っていいんだろうか?と戸惑いましたが、
後に『ラ・ラ・ランド』がこっそり影響を受けていたと知って僅かとはいえ納得できました。
『大笑い 三十年の 馬鹿騒ぎ』
そして日活から東映に移籍して放った実録ヤクザ映画の極北、『仁義の墓場』
正直、三池崇史監督に狂ってた頃に岸谷五朗主演のリメイク『新・仁義の墓場』を先に見てましたが、
そちらも凄いが、それ以上の狂気で実在した仁義なきヤクザを熱演、
甘いルックスでどこか背伸びしてチンピラを演じてた『東京流れ者』のカケラも無いほど、
脂がノリまくりの深作欣二監督とのタッグでリアルな疫病神をドス黒く演じて圧巻。
たぶん『仁義の墓場』が渡さんのベストのように思いますが。
今回の訃報でまさに男惚れするエピソードが続出し、
ホントに男の中の男だったんだと思いましたが、
病気さえなければ、もっとスクリーンでも輝いてほしかった、
確かに『西部警察』が代表作として紹介されていましたが、
日活から東映とギラギラした頃の代表作を思い出しながら合掌します。
「流れ者には女はいらねぇんだ」
「女と一緒じゃ歩けねぇんだ」
一度でも言ってみたいものです。
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