異鄉人黃秋生 アンソニー・ウォン、台湾へ移住する。

「歴史書を読めば、現状が歴史の繰り返しだと分かる。
香港警察の暴力は許されないと表明した時も、言えば干されると分かっていた」
https://twitter.com/AnneTohmi/status/1340168703199989761
↑映画通の方が最近、アンソニー・ウォンの最新インタビューを訳してくださったのがタイムラインに流れてきました。
雨傘運動支持を公言したことで、出演作が中国での公開を締め出されてしまい、
ついに香港映画界でも干されてしまったアンソニー・ウォン(黄秋生)が台湾へテレビドラマの仕事で行ったと、
チラリと耳にしましたが、このインタビューを読むと香港と決別して、
台湾へと正式に移住したんだな、と読みベニー・チャン監督の死去とともに、
香港映画は残念なことにもはや過去になってしまったと一段と認識しました。
むろん『燃えよデブゴン』の公開を楽しみにしてるとはいえ。
今年、日本で公開された『淪落の人』でアンソニー・ウォンは三度目の香港のアカデミー賞こと
香港金像賞の最優秀主演男優賞を受賞し、
多少はお仕事が増えるんじゃないかと思ってましたが、
少しも好転しなかったようだと。
アカウント主がアンソニー・ウォンに一番好きな出演作だと言ってた
『千言萬語』はアン・ホイ監督作で80年代の香港の市民運動をテーマにしたもの。
担当者は未見ですが、予告編を見ると思えばこの役が何か伏線となっていたんだろうかと。
主演がロレッタ・リーとリー・カーションというのも何だか凄いんで見てみたい1作です。
『ザ・ミッション 非情の掟』のジョニー・トー監督は中国との合作を模索していたのが、いつの間にか音沙汰なく、
『インファナル・アフェア』のアンドリュー・ラウ監督は完全に中国映画に拠点を移し大作を任され、
『ハード・ボイルド』のジョン・ウー監督は続けさまに最近の監督作がうまくいかなかったようで、
これまでアンソニー・ウォンを起用し香港ノワールの傑作を撮ってきた監督の新作に出て、
またこちらの胸をときめかせてくれないものかと思ってましたが、
三者三様の巨匠の現状を見てると、それももはや無理な注文のようだと。
インタビューで「台湾で叉焼包の店を開きたい」というのは自身の代表作を絡めたジョークなのかと思いましたが、
香港映画界で数多の栄光と栄誉を得ながらも、
中国政府に楯突いたことでこれだけの不利益を被ることに、
一段と香港の厳しい現状が伺えました。
いつぞや香港旅行で信和中心に行ってアンソニー・ウォンとサイモン・ヤムのブロマイドを求めたことが
担当者はあるので、思い入れの強い俳優さんだけにでしばし台湾で活躍後、
いつかまた香港で大暴れ、とまでいかなくても復帰だけでもしてほしいものですが。
画像は「第15回長岡アジア映画祭」で上映したジョニー・トー監督『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』の1シーン。
ジョニー・トーさんの様式美漂う銃撃戦でのアンソニー・ウォンのまさに男前、漢な姿です。
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