fc2ブログ

長岡アジア映画祭実行委員会!ブログ

新潟県長岡市で活動します長岡アジア映画祭実行委員会!です。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

『17才 旅立ちのふたり』



「淋しいから、淋しい場所に来るんだろ」

本日、澤井信一郎監督の訃報を知って真っ先に浮かんだのがこのセリフ。

『17才 旅立ちのふたり』の中で、寂れた船溜まりで藤本美貴サマが石川梨華ちゃんに言い放った一言。
モー娘。の人気が凋落している時に公開された本作は正反対の性格の二人の少女が友情を育む、
よくあるあらすじが平成なのに、まるで昭和の残り香のような暗さが全編に漂う
アイドル映画らしからぬ妙な後味を残す一作。
何しろ舞台が川崎の工業地帯というだけで異色に思いながらも、
澤井監督は職人気質を活かして、おそらくさまざまな制約があっただろうに、
強引に映画に仕上げてることに感動を覚え、
というか冒頭のセリフが今も突き刺さってるのは当時も今も
こちらは淋しいから、淋しい場所の映画館に来るんだろと美貴様にズバリと指摘された気になったからかと。

もう1本、澤井監督はモー娘。の映画を撮っており、目の不自由な仔犬を巡る実話が基の『仔犬ダンの物語』
当時、あの『Wの悲劇』はじめ名匠として地位を確立した澤井信一郎監督がモー娘。の映画を撮ると胸が高鳴り、
今は亡きシネマチャオで観賞、しかし期待が大きすぎてしまったものの普通に良い映画だった覚えが。
ただこれはモー娘。よりもこれから売り出す妹分のハロプロキッズが主人公で、
モー娘。のメンバーはほんの顔見世だったことがこちらとズレが、
しかし澤井信一郎監督はちびっ子のハロプロキッズ一人一人と面談をして、
主人公に抜擢したのが嗣永桃子さん、
複雑な家庭環境で育ち心を閉ざしがちだったところへ、
仔犬ダンとの出会いで周囲と打ち解けていくというかなり難しい役どころを演じて、
当時はまだ特にファンでもなかったこちらでも印象に残った大役でした。

ハロプロキッズはその後にBerryz工房と℃-uteに別れ解散した今もレジェンドとして記憶されるアイドルに、
嗣永桃子さんは愛称“ももち”としてBerryz工房で活躍、
『仔犬ダンの物語』から女優業はやってないとはいえ、
ももちは道重さゆみさんとともにバラエティ番組に進出し、
ハロプロを世間に浸透させた立役者になったものの、
現在は引退、小学校と幼稚園の教員免許取得したことから、
例えば自分の教え子に『仔犬ダンの物語』を見せたりしてたら素晴らしいことではないかと。

「澤井信一郎監督のご逝去を悼み、謹んでお悔やみを申しあげます。私の初めての映画『野菊の墓』の撮影では、慣れない私にとてもあたたかくご指導いただきました。撮影の時、山野を一日中駆け回って疲れた私を、いつも励ましてくださいました。あの時の監督の優しい笑顔が忘れられません。本当にありがとうございました。心よりご冥福をお祈りいたします。松田聖子」

https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202109060000455.html?utm_source=twitter&utm_medium=social&utm_campaign=nikkansports_ogp

↑『野菊の墓』で映画デビューを飾った松田聖子サマの澤井監督追悼のコメントに思わずほろりとしましたが、
旧ももちさんは澤井監督訃報を知りどんな思いが胸中をよぎったかと。

そして立派に成長したかつてのハロプロキッズを澤井監督が大人の映画として撮ってほしかったけど、、、

などと書きながらも、やはり澤井信一郎監督といえば『Wの悲劇』
アイドル女優・薬師丸ひろ子を観に行ったら、本物の映画を味わせてくれた功績は計り知れないハズ。

ただ『めぞん一刻』は音無響子さんはあの女優さんではないでしょうという忸怩たる思いもありますが、
本当にお疲れさまでした。
合掌。
スポンサーサイト



| 未分類 | 21:42 | comments(-) | trackbacks:0 | TOP↑

TRACKBACK URL

http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/tb.php/3119-4efcdcc1

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT