「忘れられた戦争 出雲大社神門通りの松ヤニ採取」

2010年3月に柴田昌平監督の劇場デビュー作『ひめゆり』を上映した団体が出雲に集まって交流会が開かれました。
担当者は市民映画館をつくる会、長岡アジア映画祭で上映をした縁でこの交流会に参加、
しかも東京から柴田監督、及びサイタマノフリョウことKさんが交互に運転する車に同乗し出雲へと辿り着きました。
旅日記は↓こちらから。
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そもそも島根県はおろか西日本など初めて訪れ、
当たり前ですが新潟とまったく違う風土全てが新鮮に映り、
さらにどしりと佇む出雲大社のスケールのでかさに圧倒されていました。
その出雲をご案内いただいたのが
"出雲的文化人"と呼ぶことになる写真家の高嶋敏展氏。
話を聞いてるだけで博学、さらに幅広いひとたちと交流し、
文化的にいろいろと仕掛け柴田監督の信頼を得ているのは納得の思いがしました。
その高嶋さんはライフワークとして「戦争の手ざわり」と題し、
身近にわずかでも残る戦争の痕跡を後世に残そうと撮影しているようで、
最新作の写真集が「忘れられた戦争 出雲大社神門通りの松ヤニ採取」
観光客で賑わう出雲大社の参道に残る松並木は戦時中、松ヤニを採集した際のノコギリの痕が残っており、
なんと太平洋戦争末期にはこの松ヤニを集めて航空燃料として飛行機を飛ばそうと、
多くの学童や女性が作業に当たり、
何もそれは島根だけの話ではなく、全国各地で松ヤニで油をつくる工場が建てられたそう。
ただし当時の日本は松ヤニで航空燃料をつくるような技術力はなく、
結局、集められた松ヤニが実戦で使われることなく、
そんなことがあったことを誰も知らない現状に否を唱え、
何十万人と出雲大社を訪れながら松並木を通り過ぎていく人たちに、
この松の痕跡に目を向けてもらおうと、
松の前に足を止めてもらおうという思いで写真集を発表したようです。
高嶋さんが凄いのはこの写真集を多くの仲間の支援を得て
「未来を変えたい」という思いで島根県の小中学校すべてに寄贈、
今後は島根県すべての高校さらに図書館にまで無償で提供しようと画策、
まさに”出雲的文化人”の面目躍如に映り改めて活動に敬意を表する次第です。
https://imaibooks.stores.jp/items/6103a4da8696c76775b8bbd4
『プリズン・サークル』 長岡上映会
http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/blog-entry-3098.html
予告編 https://www.youtube.com/watch?v=6lHlaX7VZA0
『陶王子 2万年の旅』長岡上映と柴田昌平監督×宮尾亨先生対談
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予告編 https://www.youtube.com/watch?v=-9cMkORXCeg
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