大崩にて

「田植えを手伝わないか」
と誘われて山の上のどん詰まりの集落へと。
道中、崖や山肌を目にして雪崩や地滑りは大丈夫なのかと思いながら。
何しろたどり着いた集落の名は“大崩(おおくずれ)”だから。
持ち主の方はサラリーマン生活が終わった後、
過疎といっていい集落の空き家を見つけて、
そこの田圃に手入れをし、今年で確か3度目の田植えに。
まさに日々、雨読晴耕の生活を手に入れた方。
田植えも稲刈りも仲間の方々が手伝いに来てくれるそうで、
持ち主も含めて多くは小林茂監督が撮影中の
「風の波紋」の被写体となってる人たちです。
http://tsukurukai.blog103.fc2.com/blog-entry-1333.html
自分は「モンサントの不自然な食べもの」を上映するものの、
これまで土いじりはあまりなく、
打ち合わせでJAや農業のエキスパートの方と話しても、
どこか気おくれし、
ましてや自分は新潟県に生まれ育ちながらこの年になっても
一度も田植えを体験したことないことに、
どこかコンプレックスを抱いてたので、
本当にいい機会だと思いました。
とても小さくか細い苗を見よう見まねで田んぼに植えていき、
はたしてこれで根付くのだろうかと思ってたら、
あとは苗の力に任せると田んぼの持ち主は語り、
ほかに手伝いに来たベテランの女性は、
「おいしいお米になってね」と語りかけながら手植えを。
持ち主は楽しみながら農業をやりたいという主旨があるようで、
すべて手仕事を実践したいようですが、
それでも「農薬散布を1回はやらなければ」
それを耳にした松之山で無農薬のコメつくりを実践してる方は
「人の口に入るのだから農薬はまずいだろう」と。
その会話を耳にしながらやはり思ったのは
「モンサントの不自然な食べもの」の冒頭に出てきた、
農薬ラウンドアップに耐性のある一面に広がる遺伝子組換えの大豆畑。
モンサント社は安全と強調していますが、
どこか悪夢のような風景に映ったことを思い出してました。
映画は世界各地の生産者が自身の利益ばかり追求する巨大グローバル企業によって、
とても深刻な状況に置かれたかをレポートしていますが、
TPPに加入後の日本の姿でもあるんじゃないかと容易に想像できます。
とはいえこの日は青空の下、風吹く良き日に束の間とはいえ、
汗と泥まみれになっていい体験をしました。
できたら自分で植えたこの苗が成長し稲となり収穫まで目にして、
おいしいお米となったら食べてみたいと。
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