中国魅録

以前にも書いた覚えがありますが担当者がこれまで読んで面白かった映画本は
谷垣健治監督『アクションバカ一代記』、「白痴」新潟ロケを巡る撮影記『映画が街にやってきた』、
そして香川照之さんの『中国魅録「鬼が来た!」撮影日記』が今も不動のベスト3となってます。
『中国魅録』はチアン・ウェン監督・主演の『鬼が来た!』の撮影日記。
脚本にほれ込んで出演を熱望、念願かなっていざ中国へ撮影に来たものの、
そこで体験した麻袋に閉じ込められて、そのまま放置プレイなど
日本の感覚では到底受け入れられない中国映画界での狂気じみた日々を綴った撮影日誌。
ただ戦時下ながら日本兵を助けた中国の辺境の村人たちに最後に斬りかかってしまう役を演じさせるために、
規格外の怪物であるチアン・ウェンの掌で全て踊らされて極限状態に追い詰められたのでは、とも読めたりも。
ともかくページをめくるたびに香川さんとともにディープ中国の稀有な体験を味わえた1冊。
そして辺境の食堂で小汚い親父が調理したトマトと卵の炒め物が信じられないほど美味でぜひ食べてみたいと思わせた文才も特筆。
『第6回長岡アジア映画祭』では『鬼が来た!』の上映とともに香川さんに来ていただけないかとオファーしたものの、
都合がつかず断念。
変わって日本軍の隊長役で出演してた日本のカーツ大佐こと澤田拳也隊長に、
隊長から見た『中国魅録』をお話しいただけないか依頼したらご理解いただき、
『鬼が来た!』の壮絶な現場をお話してくださり無茶苦茶面白かったです。
さらにトークの中で某ルートのご厚意で隊長へのビデオメッセージとして香川照之さんが登場し、
いかに日本人キャストの中で隊長が大きな支えとなっていたかを話してくださいました。
その後、確実に『鬼が来た!』で一皮むけて香川さんの大躍進が始まったと思ってます。
ご存じのように最近の週刊誌から発した大バッシング、記事を読んだ限りでは到底擁護できずにいます。
『中国魅録』の冒頭、確かこの映画に出演することで確実に年収は減るものの、
それを承知の上でこの役を演じ挑みたいという情熱がひしひしと感じられた文章が記憶に残っており、
こちらにとって香川さんはいつもこのイメージだったので、
たぶんあの時の『鬼が来た!』の現場に挑む情熱は偉くなるとともに失せていったのだろうと思うしかありません。
超売れっ子になったとはいえ『半沢直樹』などの顔芸ばかりが最近は脚光を浴びてたのは違和感が。
香川さんが演じてて強烈に印象深かったのがひっそりと洗濯物を畳んでいた『ゆれる』、
そして今思い出すのは『ゆれる』のラストシーン、、、
うちに帰ろう by カリフラワーズ Cauliflowers
https://www.youtube.com/watch?v=Vhcxbi4ekdg
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