『土を喰らう十二ヵ月』

『土を喰らう十二ヵ月』公開2日目、夕方はYEBISU GARDEN CINEMAへ。中江裕司監督と🎥撮影の松根広隆さんのトークイベント。今回はキャストの話から。稀代のスター、沢田研二さんとレンズを通して見つめ合った瞬間。「目を逸らしたらダメだと思った」と松根さん。あの生々しい映像は松根さんならでは。
https://twitter.com/tsuchiwokurau12/status/1591382557597192192
作家である恋人が住む山間の集落へ向けてロング&ワインディングロードに車を走らせる編集者・松たか子を映したショットに、なんだか見覚えがあるような気がして思い出したのは小林茂監督作『風の波紋』の舞台である妻有の集落へと向かった際、こんな形で長く曲がりくねった道を登っていったことでした。
沢田研二&松たか子主演の話題作『土を喰らう十二ヵ月』の撮影監督は松根広隆カメラマン。
橋本信一監督の山古志映画『掘るまいか』『1000年の山古志』を、
そして小林茂監督『わたしの季節』『風の波紋』などを撮影するなどドキュメンタリー畑を歩んできたのが、
スーパースター、ジュリーの劇映画を撮影というのはずいぶん意外に思いましたが、
観たらなるほど舞台となる長野の山里の古民家を中心に美しい自然を丹念にカメラに収めているのは、
『1000年の山古志』『風の波紋』で得た手腕を存分に松根キャメラマンは発揮しているように思いました。
そして中心にいるジュリーの佇まい。
松たか子が恋人と言われても不思議に映らない艶っぽさにサスガはジュリーと、
手料理でもてなす姿に微笑ましく観ていたら、
(しかし数々の手料理もさるものながら器への尋常でないこだわりに美学を感じてました)
次第に老境に達し、自身の“死”について深く考察していく姿にこちらも一緒に考えてしまう展開となり、
そのジュリーとレンズ越しに目を逸らさずに向き合った気迫がこちらにも伝わった稀有な映画体験を味わってました。
そしてジュリーの最後のセリフを一緒に唱えておりました。
中江裕司監督といえばずっと『ナヴィの恋』が代表作で、
本作にヒロインだった西田尚美が登場したのは嬉しく思いながら、
『ナヴィの恋』に匹敵するような、こちらの胸に残る映画であり、
松根カメラマンの活躍を嬉しく思った次第。
加えて長岡絡みでいえばエンドクレジットを眺めていたら“和島の村娘”だった久住小春の名前が。
どこに出ていたのか気づかなかったので、何の役だったのか今も気になります
そしてそして映画を締めるジュリーのホントに色っぽい歌声に存分に痺れておりました。
https://tsuchiwokurau12.jp/
スポンサーサイト
| 未分類 | 23:59 | comments(-) | trackbacks:0 | TOP↑