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長岡アジア映画祭実行委員会!ブログ

新潟県長岡市で活動します長岡アジア映画祭実行委員会!です。

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『百姓の百の声』 柴田昌平監督舞台挨拶



昨日の続き、高田世界館での『百姓の百の声』上映前に柴田昌平監督と立ち話ならぬ座り話をしていく中で、
こちらの農業体験、毎年、大崩のご主人のもとで田植えと稲刈りの手伝いをしながら、
ご主人の姿を見て実際に田んぼ仕事をして思うのは、ともかく農業は体力勝負なこと。
70歳を超えたご主人が必死になってる姿を見て自分はとてもできないと尊敬してます。
などと話し、こちらが年々体力が確実に落ちてきていることを言葉の端に滲ませておりましたが、
映画が始まって早々、登場するのは84歳になって上半身裸となり肉体美を披露する稲作、リンゴ農家のご主人。
続いて登場するのが日本のトマト栽培の開拓者93歳(!)の姿を見ていて次第にこちらの身が縮むいたたまれない思いが。

以下、上映後に舞台挨拶に立った柴田監督が質疑応答という形で丁寧に、質問に答えてたことを含めて、
学生時代に山梨で1年農業の見習いをしたなかで農家に学ばなければならないことはたくさんあるとシンパシーを感じてたこと。
映像化したいと思いながらNHKに企画を出すものの農業が通るのは難しい。
さらにドキュメンタリーを作るのはエネルギーがいる。
4年前、55歳になって今やらなければと思い立ち農文協の友人に相談し、
全国各地の農家の方々を紹介してもらい奥さんである大兼久プロデューサーとカメラを手にし取材。

柴田監督作はこれまで信頼できるカメラマンにほぼ撮影を任せてましたが、
本作は取材に合わせてスケジュールを立てるので大兼久プロデューサーともども、
このために撮影機材を購入しともに練習、しかもドローンまで登場してますが、
これも四畳半の部屋で八の字に操縦できるよう練習してたとか。
その甲斐もあって農場の美しさも目に留まる作品になってました。

また「閉鎖的な農家もいたのでは?」という質問には、
農文協の紹介があったので問題はあまりなかったようですが、
こちらがしっかりと学んで行けば、
信頼をし「この人なら話してもわかる」と話をしてくれたと受け取りました。
しかし、そもそも柴田監督といえば、これまできちんと証言することを避けていた、
元ひめゆり学徒隊のおばあたちが信頼を寄せて、
柴田監督ならとその壮絶な体験を話し、それに耳を傾けていた方。
おそらくここに登場する農家の人たちも柴田監督の人柄に触れて信頼をし、
進んで自身の創意と工夫を話されたのではないか。
登場する農家の人たちはほとんどポジティブに物事を取られ、
撮影した2019年は各地で台風の被害に見舞われながらも、
ネガティブにならず、また知恵を使って前向きにこなしてる姿は確かに学ぶものがありました。

本作で一貫してるのは知恵の共有。
キュウリ畑の農家の方が「技術を与えることで、また自分のところへ返ってくる」と話すことでよく理解でき、
良いと思ったことを伝えて互いに繁栄していくのが、この“百姓国”の姿だと観ていて思いました。
その流れでまさかウルトラセブンのカプセル怪獣ミクラスの名前が登場するとは。
ミクラスは担当者の推し怪獣でもあり、よく承知しておりますが、
逆にミクラス知らない人があの場面を見て伝わるのか心配に思いながらも、
ビニールハウスの中で熱心に語るご主人の姿を見てれば杞憂だと思いなおしました。

しかし“百姓”って言葉は放送禁止で新聞でも使われないとのこと。
本作を観れば百の技術を持つ尊敬すべき職人という認識になる:のでこれは改めるべきではないかと。

『百姓の百の声』は高田世界館で12月16日まで公開してます。
農家の皆さん、そしてわれわれ消費者、ともにおススメできるのいづれ長岡でも上映できましたら。

『百姓の百の声』公式HP https://www.100sho.info/
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