三上智恵監督講演会 「沖縄を戦場にさせない」

「数年前は角を曲がれば戦争があったのが、今年去年と目の前に戦争がある」
http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/blog-entry-3579.html
↑こちらで紹介した三上智恵監督の講演会を聴講。
印象深かったのが琉球朝日放送のキャスター、そして記者としてずっと沖縄の報道に携わりながら、
大きな反省点として米軍基地問題と自衛隊基地を分けて報道。
沖縄の基地問題は米軍の横暴を突くのは意味があったが、
島民も自衛隊の駐留に賛成の人も多く、自衛隊への取材は難しかったこと。
結果的に先島諸島に多くの自衛隊基地がつくられてる。
しかし自衛隊は災害救助はするが、有事の時に島民は守らない。
今年は沖縄返還50周年だが、1995年に自分が沖縄に赴任した時はまだ良くなると思ってた。
人並みに暮らせると思っていたが、今は目の前に沖縄戦がある。
本土の人たちにとって沖縄はなんなのか、答えがない
沖縄の問題について問うべきは日本政府、理解してもらうのは日本国民。
90分という長い時間なので途中、『標的の島』『戦場ぬ止み』『標的の島 風かたか』『沖縄スパイ戦史』の予告編を流して解説。
するとこの期間の沖縄の問題が時系列で凝縮されていたことに改めて気づかされました。
ただし30分のテレビ番組にまとめながら、どうしてもこれは全国に届けたいと高江の闘争を記録した映画版『標的の村』は上映権が監督の手元を離れて、今は上映ができなくなってしまったそう。
また『標的の島 風かたか』では米軍基地問題からエアシーバトル構想、ようするに米軍に奉仕する自衛隊が先島諸島に次々と基地を建ててる問題へと移った、つまりいざ有事となれば基地が真っ先に攻撃されることは明白、そこに住んでる周辺住民は?と問いかけた作品の解説で「本土は沖縄を風かたか(風よけ)にしてるがアメリカは日本を風かたか」にしてる。
『標的の島』とは沖縄だけでなく日本列島を指してること。
「『沖縄を戦場にさせない』とあるが有事の際に攻撃されるのは沖縄が先というのはありえない、
大変なのは沖縄だけでなく全国、皆さんが住んでる地域、新潟も自衛隊の基地があるでしょう、
火が回ってきてる、早く消さないと」
しかし危機感を募らせ、全国を講演でまわって訴えても、どうしても伝わらないことに歯がゆさを感じてるようでした。
最後に↓こちらを放映して解説。
与那国島に戦車が走る~打ち砕かれた自立ビジョン~
https://maga9.jp/221130-0/
ここで映し出されてるのは要塞化する与那国島はついに戦車が訓練とはいえ普通に通学路を走る事態となり、
住民は分断というより反対派が完全に孤立化し徒労してる姿。
声もあげられなくなる世界を作り出してしまったのは本土に住むこちらと決して無関係ではないだろうと思いました。
その後に質疑応答の時間となり、
シャイな新潟県民は最初の挙手まで時間がかかり、妙な間が空くので担当者が質問
「講演前に主催者が大学に宣伝に回ったけど今日は残念ながら若い人は来ていないと話してたが、
最近インフルエンサーのひろゆきさんが辺野古の前でやらかしながらも
いいね!が30万もつき、その中の多くは若者だと思うが、こういった場には来ない。
翻って沖縄の若者たちはどうなのか?」というこちらの質問に
「新聞を読んでなくネットだけ見てる若者は本土と変わらないが、
反対派が誰のために一生懸命やってるのかを大学講師の頃に教えたら見方が変わったこともある。
いざとなったら大人たちの姿を見てるので自力みたいなのはあるのではないか。
翁長知事の言ってた沖縄のマグマ」と結びました。
アナウンサー出身なので、時折ユーモアも交えていささかも退屈もせずに聴講、
「沖縄に関して言えば、再び戦場になることを死んでも阻止すること」
作品作りの根っこを問われたことの返答は少しの揺らぎもないことは確かでした。
この日のお客様へ『香川1区』長岡上映会のチラシを配布させていただきました。
主催者はじめ関係者の皆様、ありがとうございました。
1/7 『香川1区』長岡上映と大島新監督講演
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