長岡アジア映画祭実行委員会!ブログ

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被ばくを避ける権利

原子力防災を考える長岡市民の会・金子貞男さんによる四回目のコラムです。
画像は中越沖地震で機能を停止した保安検査官事務室。

第一回 ダイアナが示す被ばく予測
http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/blog-entry-336.html

第二回 柏崎刈羽原発のベントで放出される放射能量
http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/blog-entry-342.html

第3回 過酷事故シナリオと避難計画
http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/blog-entry-351.html

IMG_3732 保安検査官事務室

被ばくを避ける権利

原子力防災ガイドブックが長岡市内全戸に配布されました。「まずは屋内避難」「風向きなどを考慮し、特定区域のみ避難」と行動原則を述べています。一読してすぐ思い浮かぶのは、避難基準がまったく判らないということでしょう。これでは屋内避難することで、被ばくを避けられるのか市民が判断することができません。うがった見方をすれば、「市の指示に従っていればよい」という行政特有の尊大さを感じさせます。主権者は一体誰なのでしょうか。

実は2月に新潟県が決定した「原子力災害に備えた新潟県広域避難の行動指針」で避難基準が示されています。これは国の原子力災害対策指針に基ずくもので、三つの基準があります。ひとつは空間線量が1時間当たりで500マイクロシーベルトになった時、「数時間以内目途に区域を特定し、避難等を実施」するというもの。即時避難区域の避難を優先させるためのものとは言え、一般家屋のガンマ線遮蔽率は4割程度ですから、たとえ屋内に避難したとしても被ばくを避けることはできません。これでは飯舘村の不条理を繰り返すことになるでしょう。

二つ目は空間線量が20マイクロシーベルト/時になって、「1日内をめどに区域を特定し、地域生産物の摂取を制限するとともに1週間程度内に一時移転を実施」ということです。長岡市の言う「特定区域のみ避難」とはこれを意味します。法定線量は0.23マイクロシーベルトですから、こんな高線量下で1週間も屋内に退避しなければならないことになります。これを長岡市の地域防災計画では、「抵抗が予想されることから強力に指導」するそうです。まるで強制ですね。

三つ目は人体のスクリーニング・除染基準が40,000cpmだということです。カウント・パー・ミニッツ、つまり一分間のガンマ線の数が4万を超えて初めて除染するということになります。病院など放射線管理区域の除染基準は4cpmですから、除染の意味が半減するのではないでしょうか。

総じて言えば、原子力防災は「放射線被ばくによる確定的影響を回避するとともに、確率的影響を最小限に抑えるため、迅速な対応を行う」ことに目的があるのです。「確率的影響」とは法定線量の年1ミリシーベルトのことですが、「影響を最小限に抑える」に過ぎません。福島原発事故が示したのは、地域社会を破局に導くということでした。国にとっての安全とは「社会秩序の維持」を意味ししています。それだけに「被ばくを避ける権利」は、健康への権利を含む基本的人権として最大限尊重しなければならないでしょう。長岡市の責務でもあるはずです。

◎「長岡市地域防災計画(原子力災害対策編)」(案)に関するパブリックコメントの実施結果
http://www.city.nagaoka.niigata.jp/shisei/nuclear-safety/ar_public-comment.pdf

金子貞男(原子力防災を考える長岡市民の会)
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