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長岡アジア映画祭実行委員会!ブログ

新潟県長岡市で活動します長岡アジア映画祭実行委員会!です。

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『福田村事件』 舞台挨拶

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100年前と今が地続きになっている。

http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/blog-entry-3909.html

↑10月8日 高田世界館で大島新監督『国葬の日』の舞台挨拶の最後に、
大島新監督はこのように次に上映される『福田村事件』を紹介しました。

『福田村事件』の上映後は 佐伯俊道; 井上淳一; 荒井晴彦の脚本家チームの舞台挨拶が行われ、
観客からの質疑応答という形で当然、井上淳一氏が進行役となって進めていましたが、
今回、この大きな社会派の力作の核となる脚本を膨大な資料を読み込んで叩き上げた佐伯俊道氏の存在が大きく見えました。

観客からの難しい問いにも歴史的な史実を述べ、
映画のフィクションを織り交ぜたことを何も揺らぐことなく明快に応え、
なんというか日本映画界にこんな巨人がいることを恥ずかしながら本作で初めて知りました。
この日、『国葬の日』を観ていたそうで『福田村事件』と絡めて、
「答えを映画に求めないでほしい。映画は問いかけるもの」
という趣旨で話されて納得しました。

井上淳一氏がネットで散見した本作への批判について、
「日本人による日本人の虐殺でなく、無いことにされようとしている朝鮮人の虐殺を描くべきでは」
「性愛描写はいらないのでは」

という二点について前者は実際に朝鮮人虐殺を撮るにはさらに莫大な製作費がかかりこと。
劇中、東京に住み震災後に危険人物として拘束され
亀戸署で刺殺される劇作家・平澤計七の背後に銃声とともに「アイゴ、アイゴ」という韓国語が聞こえることでわかってほしいと。

続いて後者の性愛場面については森達也監督はいつもそれは荒井晴彦さんに聞いてくださいと応えるそうで、
今回振られた荒井氏は「俺じゃないよ、佐伯さんだよ」と佐伯氏にマイクが渡り、
「当時はほかに楽しみもなかった、そもそもジェンダーという考えもなく今の概念とは違う」
という趣旨で発言していました。

ついでに荒井氏は「全然エロくない」とサスガ性の達人の言葉だと思い、
殿町の居酒屋かちんこのご主人で荒井先生脚本『トルコ110番 悶絶くらげ』の
主演 故・星野暁一さんはここにいたら大笑いしただろうと思ったりと。

荒井氏は振れられない限り、ほとんど黙ってた印象だったものの、
ちょっと返答に困るような質問者の問いにはすかさずマイクを持ってフォロー、
要はこれからもこんな映画を撮ってほしい、という質問というか要望なのですが、
それに対して製作費に困らないという意味と受け取りましたが、
「山田洋次や宮崎駿が撮ってほしい」と言ってまた笑わせてもらいました。

それに乗じて思い出したのか宮崎駿監督の『風立ちぬ』には
関東大震災の場面があるのに自警団が出てこないし挙句に「ゼロ戦を設計した技術者に罪はない」と言わせてると憤慨。
井上氏が「パラレルワールド」と揶揄した後に、
「『福田村事件』が大ヒットと言っても観客数は山田監督の新作『こんにちは、母さん』の十分の一に満たない」と。
「『こんにちは、母さん』を観に来る層を何とかしなければ」と荒井氏。
とはいえ『こんにちは、母さん』はエロというより艶めかしい描写があったりして
90代に突入してもやるな、ヨージと思いました。

『福田村事件』は先に書いた大島新監督が言うように
100年前の事件が今を照射してると感じさせてくれた作品。
何しろ冒頭に「世襲」だの「適材適所」など今の政治の腐敗を象徴するワードが散りばめられ、
メディア不信にファクトチェックと紛れもなく作り手は100年前を今に置き換えてることが読み取れながら、
凄惨なクライマックスを観終えてぐったりときながらも、
これで歴史の陰に埋もれた挙句になかったかのように扱われていた被害者への鎮魂が叶えられたこと。
実際、舞台となった現在の野田市、柏市の市長が議会で謝罪したと佐伯氏は伝えて、
映画の力の強さを感じさせてくれたことに拍手を。
あとは小池百合子、松野博一はじめ歴史修正主義の政治家が直視することを。

ちなみに本筋と関係なく流言飛語に惑わされないよう近隣住民を諭す平澤計七は映画の中でも良識人として描かれており、
震災後に亀戸事件で刺殺されたプロレタリア演劇の始祖という評価を得てるとwikiに書いてましたが、
小千谷出身だそうで、少年時代を新発田で過ごした大杉栄といい
関東大震災のドサクサで殺された著名人の新潟県率の高さを思いながら、
亀戸事件は薄っすら耳に入ってたとはいえ、
そこに新潟県人の作家がいたことなどまるで知らずにいたので教わった気になりました。

舞台挨拶の最後は井上淳一監督の新作『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』が来年公開、
荒井晴彦監督は新作『花腐し』は本領のエロに期待し来月公開と宣伝してお開きとなりましたが、
佐伯俊道先生の作品がまた観れますことを。

その後のサイン会で荒井監督に「新作楽しみにしてます」と伝えると、
ニコヤカに弾けるような笑顔でこちらに笑ってくださり、正直驚きました。

『福田村事件』は高田世界館のほか拡大公開されて県内ではイオンシネマ県央、イオンシネマ新潟西、ユナイテッドシネマ新潟で公開中です。

しかしこの難儀だろうし、良い意味で個性的な面々をまとめたであろう小林三四郎プロデューサーに敬意を。

『福田村事件』公式HP https://www.fukudamura1923.jp/

しかし本作を観た時は想像してなかったのに、この一週間後がジェノサイド前になるとは。

即時停戦、戦争反対。
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