食と環境問題

ご存知のとおり連載中の「美味しんぼ」で福島を取材した山岡士郎が鼻血を出した描写のことで大きな騒動となっています。
マンガには昨年協力した「フタバから遠く離れて」長岡上映会にて
講演を開いた元双葉町町長・井戸川克隆氏が登場し福島で鼻血や疲労で苦しむ人が大勢いるのは
「被ばくしたから」と断言しており、「風評被害」の名の下でバッシングを浴びてるのも見受けられます。
担当者がお話した方が騒動の渦中で非難を浴びてるのは心苦しく思ってます。
何しろ打ち上げで「東電テレビ会議」の上映を長岡で考えてると吐露したら、
「ぜひやるべきだ」と背中を押してくれた方でした、
http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/blog-entry-194.html
↑こちらの中にある「書くことがためらわれたこと」はマンガの中ではっきりと
井戸川氏が述べており、常に子どもたちのことを思って相当な覚悟で発言を続けてると思いました。
そして名のある政治家たちがお上とそぐあわければ批判することによって、
ますますこの国の流れは表現の自由に対して萎縮していくことを憂慮します。
この問題に対して「フタバから遠く離れて」の船橋淳監督が意見を述べています。
「美味しんぼ」の鼻血問題:敵を見誤ってはいけない
http://www.huffingtonpost.jp/atsushi-funahashi/oishimbo_b_5313031.html
また長岡アジア映画祭にて上映した「パレスチナ1948・NAKBA」を上映した広河隆一監督はチェルノブイリを取材した経験からブログに寄稿しています。
チェルノブイリでは避難民の5人に1人が鼻血を訴えた
http://daysjapanblog.seesaa.net/article/396967390.html
前者は問題の本質を、後者は現地調査に基づいた資料として発言しています。
とはいえ以前にもご紹介した白石草代表OURPLANET-TV制作の「チェルノブイリ 28年目の子どもたち」の中で、今も健康被害に苦しんでいる子ども達の姿を目にすると批判をしている政治家の方々、その他の方はあまりにも楽観的に思えます。
https://www.youtube.com/watch?v=3hv-5bW17Rs
ついでに「美味しんぼ」104巻「食と環境問題」の中で六ヶ所村の核燃料再処理場が食と環境にどのような問題があるか、原子力エネルギーも含めて取り上げています。
当時読んだときはどうも原発に対して煮え切らない姿勢が気になったものですが、あれから福島原発事故の尋常でない大被害を前にし原作者の雁屋哲氏も相応の覚悟で今回作品を発表したのだろうと。
しかし今回の政治家がまくし立てた騒動だと思うと不都合な重案がまたこっそりと進んでんじゃないかと疑ったりします。
あと担当者は中学生からずっと「美味しんぼ」を読んでますが、最近の社会問題をテーマにした真摯な長期連載ものは作品の味として頷けるものの、例えば54巻「日本酒の実力」や95巻の「焼酎革命」のように酒場で銘柄を目にしたら飲んでみようか、と思わせるエピソードもまた描いてほしいことや、初期の薀蓄をひけらかした一話完結ものがとても面白かったことを思い返してます。
ちなみに「冷やし中華」という海原雄山曰くクズ料理をテーマにし互いに過剰なまでに憎しみあう父と子が、冷やし中華を作って戦ってしまう8巻「スープと麺」の海原雄山のドメスティックで凶暴な姿を読み返すと最近の士郎とともに海原雄山も大人になったものだと、ちょっと感慨深くなりました。
もう連載始まって30年かと。
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