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長岡アジア映画祭実行委員会!ブログ

新潟県長岡市で活動します長岡アジア映画祭実行委員会!です。

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「居酒屋かちんこ」にて

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11月11日『百姓の百の声』“五藤利弘監督新作特集” 

懇親会の会場となった「居酒屋かちんこ」
「宴もたけなわでございますが」と盛況のうちにお開きとなった後に、
女将さんは後片付けをし、担当者に余ったおつまみを皿に載せてもらい生ビールを飲みながらこちらは、
あんまりよく知らなかったご主人との馴れ初め話を耳にしました。

かちんこのご主人は何度も書いてますが、
今や巨匠の荒井晴彦先生が脚本を執筆した日活ロマンポルノ『トルコ110番 悶絶くらげ』で
健さんに憧れながらも冴えない屈折した若者像を好演したのは、
文学座出身という素晴らしいキャリアがありながらも、
ポルノ映画に出演していた自身と重なる部分があるのでは?
などと生前、話を聞きながら思っていました。

確かご主人が「食えなくなったから長岡に戻ってきた」と居酒屋を始めた旨の覚えがあり、
いつもかちんこで担当者は得意げにご主人の話を伝えておりましたが、
女将さん曰く、それは間違いでとても羽振りが良かったとのこと。
なんでも俳優よりギター弾きとして大変売れっ子で稼ぎも良かったそうですが、
子どもが産まれることになり、東京で育てるより長岡の方が良いとお二人で決めて戻ってきたそう。
ちなみに女将さんは長岡ではなく県内の港町出身なことも初めて知りました。

70年代、まだ同じく自身の未来を想像つかずにピンク映画と特殊な劇団に所属していた大杉漣さんとは友達。
旅番組で漣さんがかちんこを訪れご主人と昔話に花を咲かせた時の番組は担当者は未見、
見たいと思ってますが、女将さんも録画したDVDを貸した人がすぐさま失くしてしまい、
そのせいで、ご主人出演の『トルコ110番 悶絶くらげ』のブルーレイ(改題して『ソープ110番 悶絶くらげ』)は
絶対に人に貸さないと決めたそう。
率直に女性なら顔をしかめるようなタイトルですが、「面白い映画ですよ」と普通に感想を述べる姿に、
やはりご主人への愛情を感じた次第です。

しばらく居酒屋のご主人として生きてきたのが、
役者魂を再燃させたのが五藤利弘監督『ゆめのかよいじ』のエキストラ出演のはずが、
プロデューサーを見つけて口説いて無理やり台詞のある役をゲット!
しかし映画を観るとやはり素人とは一線を画して、さすがプロと思えるものでした。

ついには大林宣彦監督の事務所に履歴書を送り、
これまた台詞のある役で『この空の花』で登場した際、
劇場で観ていたこちらはビックリしたものです。

その後も長岡ロケの映画が続いただけにご主人・星野暁一氏は
俳優として本当のブレイクとなるかと思ってましたが、
残念ながら病に倒れて亡くなってしまい、
二人三脚でお店を繁盛させてた女将さんは店じまいも選択肢にあったと思いますが、
今も一人で腕を振るってるのはありがたく嬉しく思います。
まぁ、昔からこちらが滑った転んだを見ているので、
いつもポスター掲示に協力いただき、
こういった懇親会ではこちらをくみ取っていただけるのは感謝。

ちなみに長岡ロケで滞在している映画人が店名から興味を持ち、
名のある俳優さんが結構顔、飲みに来たりするそうで、
話を聞くと名優ほど折り目正しくお酒を飲んでる印象を持ちました。

女将さん、これからもお元気でと、よろしくお願いいたします。

メニューの張り紙はご主人が健在だったころは所狭しと貼られてましたが、
今はこれでもスッキリしてる方です。

ちなみに荒井晴彦監督最新作『花腐し』は現在、シネ・ウインドで公開中です。
ご主人も荒井先生の活躍を喜んでるハズ。
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