脚本監督作『花蓮~かれん~』上映に寄せて 五藤利弘監督 前篇
「長岡アジア映画祭’14」にて「花蓮~かれん~」と「スターティング・オーヴァー」を上映する
長岡出身・五藤利弘監督より寄稿いただきましたので二回に分けて掲載します。

脚本監督作『花蓮~かれん~』上映に寄せて
この作品は茨城県の土浦市、阿見町、行方市など霞ケ浦周辺地域を舞台にした地域発信映画、いわゆる古里映画です。
映画は人と人のかかわりを描くものですが、この作品そのものが人との関わりの中でつくらせて頂く作品となりました。
というのも、まずこの作品との関わりは栃尾を舞台に描いた『モノクロームの少女』を観て下さった茨城の方が「同じような映画を茨城でも撮ってほしい」と依頼下さったのがきっかけです。
ですから、この作品があるのはやはり故郷の皆さんが『モノクロームの少女』を支えて下さったからだと感じています。
また、撮影した地域はドキュメンタリー番組でも一緒に仕事をしてきた映画『天心』監督の松村克弥さんと7年前に巡った地域でした。
松村さんのお母様が行方市出身で、ご実家に泊めて頂いたときに湖畔を回った記憶がずっと残っていました。
松村さんのお母様が霞が関湖畔に終の棲家を建てるとのことで、その建築予定地の周辺を歩いて回り、湖畔の展望台から霞が浦を眺めました。それはまさにこの作品の舞台になっている風景でした。
ご実家に泊めて頂くきっかけになったのが門井肇さんの話題作『棚の隅』の故郷凱旋上映を観に行ったことで、泊めて頂いた夜は松村さんと門井さんと3人で映画のお話をして盛り上がりました。その、門井さんには『モノクロームの少女』撮影の際には脚本や地域で映画を撮ることについてのアドバイスを頂きました。
松村さんと霞が浦湖畔を巡って行くと、阿見町に旧海軍の水上機カタパルト跡や軍施設跡が残っていて、有名なミュージシャンのPVにも使われた場所とのことで時が止まったような風景を見た記憶は『花蓮』に生かされました。
阿見町には旧海軍予科練跡があり、故郷の英雄・山本五十六の足跡も残っていました。
そこから眺める筑波山の風景が、長岡から眺める弥彦山の風景にそっくりで、五十六ももしかしたらこの風景を眺めて故郷長岡に想いを馳せていたのではないだろうかと勝手に想像しました。
土浦には五十六が通った蕎麦店も残っており、『花蓮』ではそこでも撮影させて頂く予定でしたが、3.11の震災で土壁や漆喰が落ちてしまって残念ながら叶いませんでした。
『花蓮』で撮影担当してもらった道川昭如さんは茨城県笠間市出身で、道川さんとは埼玉県秩父を舞台にした短篇『けさらんぱさらん』で初めてビデオエンジニアとしてご一緒頂いたご縁で、『花蓮』撮影の直前に河口湖で撮影した監督作『鐘楼のふたり』でサブカメラマンとして、一眼レフカメラで主役の2人の印象的なバックショットを綺麗に撮ってもらいました。その道川さんと、この作品でまた繋がったのは不思議な巡り合わせでした。
今回映画祭でもう1本上映頂く『スターティング・オーヴァー』は道川さんが僕を制作会社に紹介して下さったご縁で出来上がった作品で、もちろん撮影は道川さんに担当してもらっています。道川さんには、今年の春撮影した新作でも撮影担当して頂いています。
『花蓮』で主演のひとり、キタキマユさんはこの作品のご縁で松村さんにご紹介させてもらい『天心』で重要な役で出演なさっています。
また、チーフ助監督の冨澤さんと制作部の村山さんは今回映画祭で上映される太田隆文さんの『朝日のあたる家』に参加、太田さんは僕の名前をエンドクレジットに入れて下さいました。余談ですが『朝日のあたる家』エンドクレジットでぜひ僕の名前を探して下さい。
つづく
====================================
『花蓮~かれん~』 11月3日12時10分~
2014年/日本/99分/日本語/BD/カラー/英題“KAREN”
(C)「花蓮~かれん~」製作委員会
脚本・監督 五藤利弘
出演 キタキマユ 三浦貴大 浦井なお 三浦景虎 円城寺あや 生島勇輝 ほか
東京の大学を卒業後、実家のある茨城の地方都市で設計士として建築会社に勤務している27歳の周平。家業の蓮根農家を継ぐかどうか、将来に迷いながら、日系タイ人ホステスのカレンとの出会い、幼馴染みの女性との再会で揺れていく。茨城の美しい風景を舞台に将来に惑う青年とルーツ探しにきたタイ人女性の淡いラブストーリー。栃尾ロケ映画『モノクロームの少女』『ゆめのかよいじ』と古里映画を手掛ける五藤監督の新たな1作。
予告編 https://www.youtube.com/watch?v=vAK1trR6Lpc
『スターティング・オーヴァー』 11月1日19時30分~
2013年/日本/84分/日本語/BD/カラー/英題 “Just Like Starting Over” R-15
脚本・監督 五藤利弘
出演 片山 享 成澤優子 日高ゆりあ 生島勇輝
配給 アートポート ©2013娯楽TV/ひかりTV
洋子(26)と太郎(26)は、慌ただしく引っ越しの準備をしていた。 高校2年の時につきあい始め、二人では東京で一緒に暮らし始めた。10年の時が流れ、お互いの気持ちにも変化が見え始め、太郎の心は別の女性に移り、そして二人はついに別れる事になってしまう。一緒に荷物を片付ける中、ついつい昔話をしてしまい、なかなか先に進まない。 「それぞれの愛があり、それぞれの再出発があります。 もしかしたらあなたは違う再出発を選ぶかもしれない。 でも、彼らが選んだ再出発は…。-----五藤利弘」
五藤利弘 長岡市出身
日本シナリオ作家協会著作権委員会委員
フジテレビ「ザ・ノンフィクション」「NONFIX」や日本テレビ「NNNドキュメント」「news every.」特集などドキュメンタリー番組や報道番組などの企画、構成、演出、プロデューサーとして活動。
一方で脚本家、映画監督として活動。
映画 『ゆめのかよいじ』『モノクロームの少女』『スターティング・オーヴァー』
『雪の中のしろうさぎ』『フェルメールの憂鬱』『花蓮』
『ブーケ〜a bouquet〜』『鐘楼のふたり』『ジョフクの恋』ほか
脚本監督最新作『愛こそはすべて』10月公開 DVD11月発売予定
長岡出身・五藤利弘監督より寄稿いただきましたので二回に分けて掲載します。

脚本監督作『花蓮~かれん~』上映に寄せて
この作品は茨城県の土浦市、阿見町、行方市など霞ケ浦周辺地域を舞台にした地域発信映画、いわゆる古里映画です。
映画は人と人のかかわりを描くものですが、この作品そのものが人との関わりの中でつくらせて頂く作品となりました。
というのも、まずこの作品との関わりは栃尾を舞台に描いた『モノクロームの少女』を観て下さった茨城の方が「同じような映画を茨城でも撮ってほしい」と依頼下さったのがきっかけです。
ですから、この作品があるのはやはり故郷の皆さんが『モノクロームの少女』を支えて下さったからだと感じています。
また、撮影した地域はドキュメンタリー番組でも一緒に仕事をしてきた映画『天心』監督の松村克弥さんと7年前に巡った地域でした。
松村さんのお母様が行方市出身で、ご実家に泊めて頂いたときに湖畔を回った記憶がずっと残っていました。
松村さんのお母様が霞が関湖畔に終の棲家を建てるとのことで、その建築予定地の周辺を歩いて回り、湖畔の展望台から霞が浦を眺めました。それはまさにこの作品の舞台になっている風景でした。
ご実家に泊めて頂くきっかけになったのが門井肇さんの話題作『棚の隅』の故郷凱旋上映を観に行ったことで、泊めて頂いた夜は松村さんと門井さんと3人で映画のお話をして盛り上がりました。その、門井さんには『モノクロームの少女』撮影の際には脚本や地域で映画を撮ることについてのアドバイスを頂きました。
松村さんと霞が浦湖畔を巡って行くと、阿見町に旧海軍の水上機カタパルト跡や軍施設跡が残っていて、有名なミュージシャンのPVにも使われた場所とのことで時が止まったような風景を見た記憶は『花蓮』に生かされました。
阿見町には旧海軍予科練跡があり、故郷の英雄・山本五十六の足跡も残っていました。
そこから眺める筑波山の風景が、長岡から眺める弥彦山の風景にそっくりで、五十六ももしかしたらこの風景を眺めて故郷長岡に想いを馳せていたのではないだろうかと勝手に想像しました。
土浦には五十六が通った蕎麦店も残っており、『花蓮』ではそこでも撮影させて頂く予定でしたが、3.11の震災で土壁や漆喰が落ちてしまって残念ながら叶いませんでした。
『花蓮』で撮影担当してもらった道川昭如さんは茨城県笠間市出身で、道川さんとは埼玉県秩父を舞台にした短篇『けさらんぱさらん』で初めてビデオエンジニアとしてご一緒頂いたご縁で、『花蓮』撮影の直前に河口湖で撮影した監督作『鐘楼のふたり』でサブカメラマンとして、一眼レフカメラで主役の2人の印象的なバックショットを綺麗に撮ってもらいました。その道川さんと、この作品でまた繋がったのは不思議な巡り合わせでした。
今回映画祭でもう1本上映頂く『スターティング・オーヴァー』は道川さんが僕を制作会社に紹介して下さったご縁で出来上がった作品で、もちろん撮影は道川さんに担当してもらっています。道川さんには、今年の春撮影した新作でも撮影担当して頂いています。
『花蓮』で主演のひとり、キタキマユさんはこの作品のご縁で松村さんにご紹介させてもらい『天心』で重要な役で出演なさっています。
また、チーフ助監督の冨澤さんと制作部の村山さんは今回映画祭で上映される太田隆文さんの『朝日のあたる家』に参加、太田さんは僕の名前をエンドクレジットに入れて下さいました。余談ですが『朝日のあたる家』エンドクレジットでぜひ僕の名前を探して下さい。
つづく
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『花蓮~かれん~』 11月3日12時10分~
2014年/日本/99分/日本語/BD/カラー/英題“KAREN”
(C)「花蓮~かれん~」製作委員会
脚本・監督 五藤利弘
出演 キタキマユ 三浦貴大 浦井なお 三浦景虎 円城寺あや 生島勇輝 ほか
東京の大学を卒業後、実家のある茨城の地方都市で設計士として建築会社に勤務している27歳の周平。家業の蓮根農家を継ぐかどうか、将来に迷いながら、日系タイ人ホステスのカレンとの出会い、幼馴染みの女性との再会で揺れていく。茨城の美しい風景を舞台に将来に惑う青年とルーツ探しにきたタイ人女性の淡いラブストーリー。栃尾ロケ映画『モノクロームの少女』『ゆめのかよいじ』と古里映画を手掛ける五藤監督の新たな1作。
予告編 https://www.youtube.com/watch?v=vAK1trR6Lpc
『スターティング・オーヴァー』 11月1日19時30分~
2013年/日本/84分/日本語/BD/カラー/英題 “Just Like Starting Over” R-15
脚本・監督 五藤利弘
出演 片山 享 成澤優子 日高ゆりあ 生島勇輝
配給 アートポート ©2013娯楽TV/ひかりTV
洋子(26)と太郎(26)は、慌ただしく引っ越しの準備をしていた。 高校2年の時につきあい始め、二人では東京で一緒に暮らし始めた。10年の時が流れ、お互いの気持ちにも変化が見え始め、太郎の心は別の女性に移り、そして二人はついに別れる事になってしまう。一緒に荷物を片付ける中、ついつい昔話をしてしまい、なかなか先に進まない。 「それぞれの愛があり、それぞれの再出発があります。 もしかしたらあなたは違う再出発を選ぶかもしれない。 でも、彼らが選んだ再出発は…。-----五藤利弘」
五藤利弘 長岡市出身
日本シナリオ作家協会著作権委員会委員
フジテレビ「ザ・ノンフィクション」「NONFIX」や日本テレビ「NNNドキュメント」「news every.」特集などドキュメンタリー番組や報道番組などの企画、構成、演出、プロデューサーとして活動。
一方で脚本家、映画監督として活動。
映画 『ゆめのかよいじ』『モノクロームの少女』『スターティング・オーヴァー』
『雪の中のしろうさぎ』『フェルメールの憂鬱』『花蓮』
『ブーケ〜a bouquet〜』『鐘楼のふたり』『ジョフクの恋』ほか
脚本監督最新作『愛こそはすべて』10月公開 DVD11月発売予定
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