Beauty of Tradition ミャンマー民族音楽への旅 200年前のラブソング
「長岡アジア映画祭’14」で「Beauty of Tradition ミャンマー民族音楽への旅 」を日本初上映する川端潤監督より寄稿いただきました。
11月3日10時より上映し、川端監督も舞台挨拶に駆けつけてくださいます。

Beauty of Tradition
ミャンマー民族音楽への旅
200年前のラブソング
僕はインディペンデントの音楽レーベルをやっている。
このドキュメンタリーを作る切っ掛けはひよんな事からだった。
僕の事務所に古い友人から電話が入った。
君の事務所でミャンマー人の若者が働くことはできないだろうか?
ミャンマー人との邂逅がすべての始まりとなった。
もともと、僕は民族音楽が好きだった。
小泉文夫みたいな事ができたらいいなとも思ったことがあったし。
そしてトランク7ヶ分の録音機材を持ち込み
ヤンゴンの郊外の小屋で録音することになった。
現地で伝統音楽をやっている音楽家11グループが集まり
毎日録音を繰り返した。
40日かけて100曲になった。
時期はミャンマーの正月、水掛け祭りの頃。
これらの風景をカメラに収めた。
ミャンマーはタイ、カンボジア、ラオス、中国、インドの五カ国に囲まれている。
主要な民族は8部族で細かくは135部族ある多民族国家だ。
今回の録音ははビルマ族中心となり、18世紀の頃からの伝統音楽となった。
サインワインという太鼓が21個、木の風呂桶みたいなのにぶらさがった不思議な楽器がある。
これはこの地方の独特な楽器である。
それが中心となりサインワインオーケストラが構成される。
この楽器が指揮者となるのだ。
音階も特殊である。
又、歌を中心に演奏されるが伴奏といった概念はない。
みな歌にフレーズを重ねるスタイルで所謂、和音は存在しない。
西洋のコードの耳で聴くと違和感を感じることもある。
でも、妙な調和があるのだ。
フレーズもその曲だけのものではなく
時には他の曲中にも使用されたりする。
同じ定型的フレーズがいくつもの曲に存在することがある。
そして、譜面はない。
だから、皆、耳で覚えていく。
人から人へ伝えられるのだ。
多少の変化をとげながら。
今、ミャンマーはアウンサンスーチーが解放され、軍事政権下から民主化へと進み、
外国企業が次々と入り込んでいる。
次第に変化の動きはきている。
音楽家達のマインドも変化し
きっと、伝統音楽の在り方も変わっていくのであろう。
時代毎に変化をしながら伝えられるのが伝統音楽かもしれない。
だからこそ、今のこの時期に伝統音楽を録音してみたかった。
遠い昔を旅しているような錯覚のなかで。
川端 潤
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11月3日 10時~
『Beauty of Tradition_ミャンマー民族音楽への旅』
2014年/日本/105分/ビルマ語/BD/カラー/英題“Beauty of Tradition_Under The Sky of YANGON”
監督・プロデューサー 川端潤 撮影 万琳はるえ
手つかずのピュアなミャンマーの伝統音楽を残したいという想いからミャンマーの最大都市ヤンゴン、その中心部から少し離れた郊外のスタジオに機材を持ち込み、全て現地の演奏家によるものを録音、撮影。その中で現在のパゴタ(仏塔)、僧院、水かけ祭りなど様々な人々の姿、文化・風習を記録していく。伝統音楽を知る事からミャンマーを知るドキュメンタリー。日本初上映作品。
監督 川端 潤
JUN KAWABATA/川端 潤 プロフィール
東京都出身。写真家、作曲家、映画プロデューサー。1986年にエド・ヴァンデル・エルスケンのアシスタントを務める。写真集『Absolute Elsewhere』、『No Matter Where You Go』、『SO FAR』を発表。映画美術の木村威夫監督映画作品、『馬頭琴夜想曲』(鈴木清順、山口小夜子出演)、『海をみつめて』(深緑夏代出演)、『黄金花』(原田芳雄、松坂慶子出演)の音楽とプロデュース。佐藤寿保監督作品『名前のない女たち』、木村威夫監督映画作品『夢のまにまに』(長門裕之、有馬稲子、宮沢りえ出演)、藤本幸久監督作品『One Shot One Kill』、『アメリカばんざいl』、『笹の墓標』の音楽を担当。又、エアプレーンレーベルを運営。実験音楽のイベント『CINEMATIC VOICES』のプロデュースも行っている。キャンプと焚火が好きである。
11月3日10時より上映し、川端監督も舞台挨拶に駆けつけてくださいます。

Beauty of Tradition
ミャンマー民族音楽への旅
200年前のラブソング
僕はインディペンデントの音楽レーベルをやっている。
このドキュメンタリーを作る切っ掛けはひよんな事からだった。
僕の事務所に古い友人から電話が入った。
君の事務所でミャンマー人の若者が働くことはできないだろうか?
ミャンマー人との邂逅がすべての始まりとなった。
もともと、僕は民族音楽が好きだった。
小泉文夫みたいな事ができたらいいなとも思ったことがあったし。
そしてトランク7ヶ分の録音機材を持ち込み
ヤンゴンの郊外の小屋で録音することになった。
現地で伝統音楽をやっている音楽家11グループが集まり
毎日録音を繰り返した。
40日かけて100曲になった。
時期はミャンマーの正月、水掛け祭りの頃。
これらの風景をカメラに収めた。
ミャンマーはタイ、カンボジア、ラオス、中国、インドの五カ国に囲まれている。
主要な民族は8部族で細かくは135部族ある多民族国家だ。
今回の録音ははビルマ族中心となり、18世紀の頃からの伝統音楽となった。
サインワインという太鼓が21個、木の風呂桶みたいなのにぶらさがった不思議な楽器がある。
これはこの地方の独特な楽器である。
それが中心となりサインワインオーケストラが構成される。
この楽器が指揮者となるのだ。
音階も特殊である。
又、歌を中心に演奏されるが伴奏といった概念はない。
みな歌にフレーズを重ねるスタイルで所謂、和音は存在しない。
西洋のコードの耳で聴くと違和感を感じることもある。
でも、妙な調和があるのだ。
フレーズもその曲だけのものではなく
時には他の曲中にも使用されたりする。
同じ定型的フレーズがいくつもの曲に存在することがある。
そして、譜面はない。
だから、皆、耳で覚えていく。
人から人へ伝えられるのだ。
多少の変化をとげながら。
今、ミャンマーはアウンサンスーチーが解放され、軍事政権下から民主化へと進み、
外国企業が次々と入り込んでいる。
次第に変化の動きはきている。
音楽家達のマインドも変化し
きっと、伝統音楽の在り方も変わっていくのであろう。
時代毎に変化をしながら伝えられるのが伝統音楽かもしれない。
だからこそ、今のこの時期に伝統音楽を録音してみたかった。
遠い昔を旅しているような錯覚のなかで。
川端 潤
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11月3日 10時~
『Beauty of Tradition_ミャンマー民族音楽への旅』
2014年/日本/105分/ビルマ語/BD/カラー/英題“Beauty of Tradition_Under The Sky of YANGON”
監督・プロデューサー 川端潤 撮影 万琳はるえ
手つかずのピュアなミャンマーの伝統音楽を残したいという想いからミャンマーの最大都市ヤンゴン、その中心部から少し離れた郊外のスタジオに機材を持ち込み、全て現地の演奏家によるものを録音、撮影。その中で現在のパゴタ(仏塔)、僧院、水かけ祭りなど様々な人々の姿、文化・風習を記録していく。伝統音楽を知る事からミャンマーを知るドキュメンタリー。日本初上映作品。
監督 川端 潤
JUN KAWABATA/川端 潤 プロフィール
東京都出身。写真家、作曲家、映画プロデューサー。1986年にエド・ヴァンデル・エルスケンのアシスタントを務める。写真集『Absolute Elsewhere』、『No Matter Where You Go』、『SO FAR』を発表。映画美術の木村威夫監督映画作品、『馬頭琴夜想曲』(鈴木清順、山口小夜子出演)、『海をみつめて』(深緑夏代出演)、『黄金花』(原田芳雄、松坂慶子出演)の音楽とプロデュース。佐藤寿保監督作品『名前のない女たち』、木村威夫監督映画作品『夢のまにまに』(長門裕之、有馬稲子、宮沢りえ出演)、藤本幸久監督作品『One Shot One Kill』、『アメリカばんざいl』、『笹の墓標』の音楽を担当。又、エアプレーンレーベルを運営。実験音楽のイベント『CINEMATIC VOICES』のプロデュースも行っている。キャンプと焚火が好きである。
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