長岡アジア映画祭実行委員会!ブログ

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「朝日のあたる家」 太田隆文監督より

長岡アジア映画祭’14で上映する「朝日のあたる家」の太田隆文監督より、
長岡への思いとともに寄稿いただきました。
11月3日15時の上映後に太田監督のトークもあります。ご期待ください。

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「朝日のあたる家」長岡アジア映画祭で上映して頂けること。感謝している。
その訳、少し長くなるが読んでほしい。
「朝日」は原発事故に巻き込まれた家族の悲劇を描いた映画だ。
しかし、それを作り上げるまでには、長い長い物語があった。

一番は映画界でよく言われること。「原発映画を撮った監督は二度と商業映画を撮れない。
いや、それ以前にどの企業も製作費を出さない」実際、声をかけたテレビ、映画、ビデオ会社はどこも出資をしてくれなかった。
だから、福島の事故が起こってから何年経っても、その種の映画が作られることはなかった。

が、個人的に原発事故を勉強して行くと、SF映画を超える状況。大変なことになっていることが分かってくる。
あまりにも酷い、残酷な現実。放射能によって古里を奪われ、仕事を奪われ、家族を引き裂かれた人々。
子供たちの健康を蝕み、心までも踏みつけて行く。

現在も福島では14万人が古里に帰れずにいる。そんな現実を前に何か僕もしなければならないという思いにかられた。が、当時からデモの先頭に立っていた山本太郎さんのような知名度はなく。
僕はジャーナリストでも、科学者でもなく。金も力もない存在。何もできなかった。
でも、待てよ。映画なら作れる。そうだ。僕は映画を作る仕事をしている。映画を作ればいいんだ。
原発事故を映画で描くことで、福島の人たちの悲しみを世界に伝えよう。

取材を続けた。その中で見えて来たこと。単に原発事故の悲惨さを伝えるだけでなく、原発事故を見つめることで、日本人が忘れていた大切なことが見えて来たのだ。
原発事故で避難していた人たちが一時帰宅で家に帰ったとき。
持ち帰ったのは、家族のアルバムであり、子供たちが書いた絵。
そう、決して買うことのできないもの。そして、お金よりも、何よりも大切なものを、忘れていたものに気づいた。

それを映画にしよう。でも、業界で言われるあの言葉を思い出す。
「原発映画を撮った監督は二度と商業映画は撮れない」先輩からも何度もそう言われた。
そんなとき、我が師匠である大林宣彦監督の新作を見せてもらった。
「この空の花」ーそれは戦争について、原爆について、正面から描いた作品だった。
もの凄い映画だった。師匠が原爆を描くのなら、弟子筋である僕らは何を描くべきか?

やはり、原発問題だ。それが僕らの世代の責任ではないか? 
原子力で動く鉄腕アトムと共に育って来た僕ら。
原子力は未来のエネルギーと信じ、そこにはきっと明るく素晴らしい21世紀が待っている。
そう信じて来た。
だが、現実はそうではなく、その原子力で日本を滅ぼしてしまうかもしれない。
原発はそういう存在。テレビ、新聞ではしっかりと伝えないこと。
それを映画で伝えよう。そして、日本人にとって幸せとは何かを描こう。
これが最後の監督作になっても構わない。
企業からの出資は得られないので、市民による寄付をお願いした。
静岡県湖西市の方々の支援で製作費が集まった。

映画は完成したが、今度は映画館の上映拒否問題。このままお蔵入りか?と思ったら
全国から応援。「うちで上映しましよう!」という映画館が次々に手を上げてくれた。
結果、全国27館で公開。各地でヒットを記録。ロサンゼルス、シンガーポール、ドイツ、アリゾナ州でも上映会。11月にはニュージーランドでも上映される。

そして、今回は新潟県。長岡アジア映画祭。僕の先生である大林宣彦監督の「この空の花」のロケ地である。
そこで「朝日のあたる家」が上映されること。本当に嬉しい。
この街で撮影された映画に背中を押されて作ったのが「朝日」である。
さらに長岡市は日本最大の原発、柏崎刈羽の30キロ圏にある街。
万が一、事故があれば、ここも福島と同じ運命をたどるかもしれない。
それだけに、余計、リアリティを持って観て頂けるはずだ。
観客の皆様と共に家族の幸せ。
そして子供たちに伝えるべきことは何なのか?考えたい。
上映後のトークイベントに出席させてもらう、会場で多くの皆様と お会いできるのを楽しみにしている。

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『朝日のあたる家』   11月3日15時~ 市民交流ホールA 上映後・太田隆文監督トーク

2013年/日本/118分/日本語/BD/カラー/英題 “The House of Rising Sun”
監督・原作・脚本・編集・プロデューサー:太田隆文
出演:並樹史朗、斉藤とも子、平沢いずみ、橋本わかな、いしだ壱成、山本太郎
製作:映画「朝日のあたる家」を支援する会 制作:青空映画舎 (c)朝日のあたる家

静岡県の自然に囲まれた美しい町でイチゴ栽培を経営する家族。ごく平凡な一家の長女は都会へ行くことを夢見ていたある日、大地震が発生。60キロ離れた原子力発電所は事故を起こし避難勧告を受ける。一日で帰れると思ったが避難所から何か月も帰れず、家族それぞれに深い悲しみが襲う。福島原発事故後、フィクションの分野で果敢に原発問題に切り込み、問いかけながら家族の絆を主題にした感動作。

http://asahinoataruie.jp/index.html

太田隆文

1961年和歌山県田辺市生まれ。南カルフォルニア大学・映画科に学ぶ。2004年大林宣彦監督の映画『理由』のメイキングを担当。2006年、故郷・和歌山県田辺市を舞台に青春ファンタジー映画『ストロベリーフィールズ』を監督。カンヌ映画祭でも上映。和歌山県から「きのくに芸術新人賞」を受賞。2010年、浜松市を舞台にした『青い青い空』を監督。地元では2万人を動員し、その年1番の大ヒット。ロサンゼルスの映画祭でも上映。いずれも原作のないオリジナル脚本を自ら執筆。地方の美しい自然が描かれた作品で、「親子に伝える大切なこと」がテーマ。「毎回、涙が止まらない爽やかな感動作を作る」と多くの映画ファンから注目されている。次回作は「向日葵の丘ー1983年・夏」(出演・常盤貴子、田中美里、藤田朋子)バブル景気直前の日本を舞台にした悲しくも美しい 青春物語。2005年、全国40カ所の映画館で公開。
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