We Shall Overcome

「心が痛い」
映画の中、漁師の老女がつぶやく言葉が全てだと思いました。
沖縄戦で辛酸をなめたであろう、この老女が今、「心が痛い」と漏らさなければならない、
そして登場する抵抗する者、制圧する者のどちらもが「心が痛い」であろう、その背後には。
『標的の村』を観て“泣いた”という感想を多く聞きましたが
『戦場ぬ止む』を観た後は泣いた後に行動に移すこと、少なくとも沖縄へ目を向け続けること、
沖縄の声に耳を傾け続けること、
そうでなければ戦争に楔を打つことは不可能ではないかと。
まず、そんなことを思いました。
そして背後で蠢く者へ行動とともに抵抗をしなければ、と。
米兵の火炎放射器を浴び、血だまりをすすり、戦後は米軍基地で働くという屈辱を浴びた
老女が悲痛な思いで、平和な沖縄を目指すために工事車両を体を張ってさえぎる姿を目にすれば。
というわけでこの映画を強くおすすめします。
三上智恵監督の新作『戦場ぬ止み』は『標的の村』から状況はさらに深化し
現在進行形として、映画が終わっても問題はさらに複雑化していくことが予想されますが、
今この国で起きていることがリアルに伝わるドキュメンタリー映画の秀作でした。
辺野古の工事は現在中断していますが、
映画に登場する一人ひとりが牙をむく権力から身体を張って
この建設中断まで持ち込んだ人だと思いを馳せることができました。
『標的の村』長岡上映会にお越しいただいた人が、
上映会の数日前に朝4時ころに流れてるNHKラジオから三上智恵監督のインタビューが流れたのを聞いて
この上映会に来ようと思ったと話してくださいました。
いわば国策に抵抗する人たちを撮った監督の声がNHKから流れてるというのは
状況が少しづつ変化しているのかもしれない、と。
『戦場ぬ止み』は9月11日までシネ・ウインド、高田世界館で公開しています。
http://ikusaba.com/
「勝利を我らに」の歌声が辺野古の海に響き渡る日が来ることを願って。
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